「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】J2第22節・町田vs群馬/町田・相馬直樹監督、群馬・森下仁志監督、松下裕樹選手、山岸祐也選手コメント(4,691文字)

■明治安田生命J2リーグ第22節・7月8日(土)18:00キックオフ
町田市立陸上競技場/3,619人
FC町田ゼルビア 2-0 ザスパクサツ群馬
【得点者】町田/70分 金聖基、79分 金聖基

■相馬 直樹監督
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「まずはわれわれを応援しにたくさんの方々に来ていただき、ありがとうございます。久しぶりにホームで勝つことができました。それもすごくうれしく思いますし、ホームでの勝利に向けて本当に選手たちは頑張ってくれたと思います。

後半戦の最初のゲームで立ち上がりから前へ出るということを、選手たちは非常によく表現してくれたなと思っています。ただ、今日が後半戦のスタートであったことは群馬さんも同じ状況ですが、ゴール前まで押し込んでいるのですが、なかなかシュートまでいけないという展開でした。その中で前半は相手にも少しチャンスを作られてしまったと思います。前半を0‐0のスコアで終えましたが、前半を終えた時点でシュート数は3対3という数字でしたので、押し込んだ時間の割には効率が悪いと思っていました。迎えた後半はもう一段ギアを上げられるかという中で、選手たちは本当によく、後半の立ち上がりから前に出る、そして相手に圧力をかけ続けてくれたと思います。

流れの中からの得点はなかったのですが、それに近い形も何度か作りながら、最終的にはリスタートから2点を取ることができました。ただ、先制点の前に一つ群馬さんに決定機があり、それを止めてくれたことも非常にチームとして、そして今日のゲームの結果において、大きなポイントだったと思っています。

本当にそれぞれの選手たちがチームのために仕事をしてくれたおかげで最後に勝ち切ることができましたし、無失点という良い形で連勝をできたことは、後半戦のスタートとして大きなことだと思います。ただ、これを続けなければなりませんので、また選手たちとやっていきたいと思っています」

ーー平戸選手と金選手のホットラインから2点が生まれました。それについて感じたこと、考えたことをお聞かせください。
「太貴のキックがすごかったですし、聖基の高さが生きた場面でした。もう少し流れの中で太貴が点に絡むかなと思ってピッチに送り出したのですが、最終的にはセットプレーの場面で彼の持っているクオリティーを出してくれたと思います。また聖基に関しても高さという、他人にないものを出してくれたと思っています。

次第に攻め疲れというか、後半は決定的なピンチもあった中で、本当にチームを勇気付ける一発は大きいなと思いながら、1点目も2点目も見ていました。二人の活躍はベンチの私からするとありがたい話です」

ーーいまの話の延長になりますが、1点目につながるFKは、平戸選手のドリブル突破からFKを得た形だったと思います。彼のドリブルで仕掛けるという意識は、このチームに加入した当初はあまり見られなかった姿勢だと思います。彼のパスだけではない、持ち味を出そうとしている姿勢を監督としてどのように感じていますか?
「今日のような試合展開であれば、太貴が前でゴールに絡む、最後のペナルティーボックスの中で仕事をするような可能性があるなと考えていました。そういう展開でしたので、彼は本来であればボランチの選手ですが、一つ前のポジションであるサイドハーフのほうが今日の試合展開であれば生きるなと思って、サイドハーフでプレーしてもらいました。

その中で実際にドリブル突破でFKを獲得して、リスタートのクオリティーも発揮してくれました。しかけやすいシチュエーションだったと思いますが、確かに言われてみれば、以前であれば、あの場面で誰かに預けていたかもしれません。あの太貴のプレーに関しては、いま選手たちに求めているトライをしてくれた結果だと思います」

 

■森下 仁志監督(群馬)
ーーまずは試合の総括をお願いします。
「今日もたくさんの群馬のサポーターの方々に来ていただいて感謝していますし、結果的にこのような結果になったことに申し訳ない気持ちでいます。

ゲームに関しては、前半は良い内容で進められたと思いますが、後半は少しロングボールが多くなる展開の中で、町田の前線の二人の圧力に押し込まれて、セカンドボールも拾われてしまいました。僕自身が選手たちにもっと勇気を持ってボールを動かせと言っていれば結果は違ったのかなと思っています。

同じ土俵で町田さんと戦うとなると、町田さんは何年もやっていることなので、相手のほうが有利になると思います。もっともっと僕自身が選手自身に勇気を持たせるべきかなと思います」

ーー失点のシーンはどちらもセットプレーから、似たような状況で押し込まれる形になったと思いますが、試合中はどのような対応をしようと考えていたのでしょうか?
「その前にあのエリアでファウルをしなければいけないような状況を作ってしまったことが良くなかったです。相手のプレスが前から来ることは分かっていたのですが、相手の最終ラインの背後へボールを入れるという判断を優先しながらも、もっと自分たちから動いて、ボールを動かして相手のプレッシャーを剥がせるようになってくれば、相手のプレスも次第に弱まってくると思います。

次第に長いボールが増えた中で、前半もそうでしたが、後半も失点の前に岡田(翔平)のチャンスがありました。やはり今までの試合の流れと一緒で、最初のチャンスが自分たちに来て、それを決められずにサッカーの試合では良くあることですが、チャンスの後のセットプレーで失点をするという展開になるのは、僕自身を含めて甘さがあるのかなと思っています。

でも選手は本当にこの試合に向けて、1週間の準備から今日のウォーミングアップまで、本当に良くやってくれていると思うので、この結果に関してはすべて僕の責任です」

ーー今日の結果でリーグ戦6試合連続無得点での6連敗となってしまったわけですが、おっしゃる通りビッグチャンスがいくつかあって、あと1歩のところまで来ていると思います。そういったシーンでここ数試合決め切れないことが連敗の要因になっていると思うのですが、そのあたりはどのようにお感じでしょうか?
「チャンスがあって決められない、ゲームの中でも無失点の試合がないということは、すべて僕の責任だと思います。選手たちは本当によくやってくれていると思います」

ーー失点シーンは、GKの動きを含めて甘さがあったと思います。セットプレーの対応に関してはいかがだったでしょうか?
「相手の190㎝ある選手に対して、なかなか競り合いで勝つことは難しいので、負けない競り合いの仕方などがあると思います。1点目を取られた後、そのあたりを狙われている状況があったので、やっぱり盛田があの場面で入っていて、こちらの判断としても24番の選手(キム・ソンギ)に盛田をマークに付けるということも一つの対処法だったのかなと思います。それは僕たちのミスなので、修正したいと思います」

ーー失点が続いていますが、その一方で点が取れずに6試合無得点です。それは今後どのように改善していくべきでしょうか?
「もちろん、いまの回数のチャンスで決められないのであれば、もっともっとチャンスを作り続けならなければならないと思います。それが一番ですし、最初にも言いましたが、同じように相手と蹴り合ったら、ウチは今日のメンバーであれば純粋なセンターFWの選手がいないので、全員でもっともっと距離感を良くして、全員で連動して動き出す。そういうことの精度を上げていかないといけません。そこはもう粘り強くやり続けるしかないと思います」

ーーサポーターが試合前からかなり良い雰囲気を作ってくれて、頑張ってくれていたと思います。サポーターに対してメッセージをお願いします。
「本当にサポーターの方々にはこれだけ結果を出せない中でも、シーズンの最初から素晴らしい応援をしてくれています。サポーターの方のおっしゃることを真摯に受け止めていますし、本当に思いを持ってくれている中での声だと思います。やはり結果が出なければ僕の責任でもありますし、その期待に応えられるようにしたいと思います。本当にサポーターの方々には試合前から素晴らしい雰囲気を作ってくれて、感謝しています」

 

■MF 30 松下 裕樹(群馬)
特に後半は心理的に押し込まれているなと感じていた
「相手のセットプレーがストロングポイントだと分かっていましたが、その形から決められてしまいました。ただこちらにも同じ数ぐらいのセットプレーのチャンスがありましたし、僕がキッカーをやっていたので、セットプレーはキッカーの質で決まります。先週の京都戦も同じようにセットプレーからのチャンスがありましたから、それをしっかりと決めないといけません。そこで点を取れるか取れないか、それで結果は変わってきます。自分たちもセットプレーで決められれば、ゲームを楽に進めることができただけに残念です。

(今日の結果をどのように捉えていますか?)前節で前半戦を終わって、後半戦のスタートでしたから、前節の負けた悔しさを抱えながら今週もトレーニングをしてきました。結果が欲しい試合でしたが、来週は天皇杯が入りますが、1日1日を大事にして、みんなで勝つためにトレーニングを積んでいきたいと思っています。

(セカンドボールワークは町田戦のポイントではありますが……)背後まで蹴ってくるボールが多く、それで圧力をかけてきました。特に後半は心理的に押し込まれているなと感じていました。セカンドボールは町田さんもかなり意識していますし、セカンドボールを拾えるかどうかで攻撃につながりますので、大事にしていました。

相手は背後の深い位置まで蹴ってくるので、僕たちも下がらないといけない状況を作り出されていたので、その中で押し込まれる展開になったと思います。相手の圧力を感じることが嫌でしたし、いざボールを奪ってもどう攻撃につなげるか、できていない部分もあるので、特に後半はもったいなかったです。CBが途中で交代するアクシデントはありましたが、その時間帯に失点をすることはなかったですし、それほど問題ではなかったと思います」

 

■FW 9 山岸 祐也(群馬)
決定機では迷いがあった
「決定機を決められるかどうかで試合展開も変わってくるので、しっかりと決められるようにしていきたいです。(決めるためには)相手の動きを見て、反対のほうのプレーを選択するとか、ダイレクトでダイナミックなシュートを打つとか、一瞬の判断だと思います。思い切りの良さを出していきたいと思います。

(試合前に描いていた町田に対する攻め方について)ディフェンスラインで横パスを2本でも通すと、プレッシャーをかけに来ることはスカウティングでも分かっていましたし、実際にそうでした。ただ相手の背後も空くので、後半は特に狙ってそのスペースを突ける場面もあったと思います。今日は自分が決められれば楽な試合展開になっていたので、2回チャンスがあったので、決めないといけません。

(前半に高橋選手が町田の最終ラインの背後へパスを出してチャンスを迎えた場面について)GKの動きが見えて、ファーに蹴ろうか、ニアに蹴ろうか、迷ったことで相手のディフェンスに寄せられてしまいました。ファーに打つフリをしてニアに蹴るとか、切り返しても面白かったかもしれません。遊び心や冷静さが足りませんでした。迷いもありました」

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