「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】J2第7節・福岡vs町田/福岡・井原正巳監督、町田・相馬直樹監督コメント(3,112文字)

■明治安田生命J2リーグ第7節・4月8日(土)18:00キックオフ
レベルファイブスタジアム/6,021人
アビスパ福岡 1-3 FC町田ゼルビア
【得点者】福岡/66分 ジウシーニョ 町田/87分 中島裕希、90分 中島裕希、95分 中島裕希

 

■井原 正巳監督(福岡)
ーーまずは試合の総括をお願いします。
「まず今日はこういう雨が降るような天候の中、多くのサポーターが駆け付けてくれましたが、結果的に逆転負けとなったことに関しては非常に悔しい思いでいますし、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

実際のゲームのほうですが、町田さんのような非常に粘り強いチームを相手に、しっかりとハードワークする部分でも負けませんでしたし、シンプルな町田さんのサッカーに対して、最後は逆転を許し、3点目も取られましたが、しっかりとセカンドボールを拾って、そこから攻めていくというゲームプランをしっかりと表現できたと思います。それでも逆転されたので、10人になってからの戦い方はチームの課題だと思います。数的優位な状況であるのに引いてしまいましたし、この結果は戦い方の部分でまだまだわれわれに力がなかったということだと思っています。

途中から起用したジウシーニョはすぐに点を取ってくれましたが、私の采配を含めて、ゲーム運びなどもっともっとチームとしてコントロールすることが必要な結果となりました。ただこれもサッカーです。決してわれわれも悲観するようなサッカーをしていたわけではありませんでしたし、町田さんに対して脅威を与えるサッカーもできていたと思います。それは自信を持って言いたいことです。今日の試合を次につなげていきたいと思っています」

ーー先ほどおっしゃられたとおり、狙いどおりに試合を進めていました。しかし相手が10人になって、そこで2点目を取りに行くというよりも、チーム全体としてコントロールするでもなく、そのまま下がっていってしまったという印象がありますが、いかがでしょうか? その原因は選手のメンタリティーに弱い部分があるということでしょうか?
「こちらからのベンチワークなども含めて、選手へアプローチしてきたことがゲームにしっかりと反映できなかったところがあるかもしれません。また一人少なくなったことに安心してしまって、一人ひとりのボールへのアプローチなどがどうしても弱くなってしまっていたと思います。

もっと押し上げても良い状況でも押し上げられなかったり、後ろに人数が余り過ぎるなど、そういう状況を改善できなかったことが少し下がってしまった原因なのかなと思います。そういう状況下でのゲームは、ホームゲームでも経験しているのですが、どうしても受けてしまい、後ろの人数が少し多く余ってしまう状況が多々あったので、その点ではこちらのコントロールミスと言ってしまえばそうなのかなと思います。

もう少しボールを前に運ぶことや、しっかりとポゼッションをしながら時間を作ることなど、そういったことをもっとベンチからも働きかけていかなければなりません」

ーー2点おうかがいします。75分に石津(大介)選手から為田(大貴)選手へ代えたときにベンチからはどんな指示を出していたのでしょうか?
「数的優位の状況でしたから、為田には左サイドでしっかりと時間を作るプレーと、彼はサイドを崩す形を作りながら、SBを生かすやり方もできる選手ですから、攻撃のアクセントを加えるようにと指示は出していました。守備の部分は相手のSBをケアするなど、チームとしての守備のタスクについて、こちらから発信して彼をピッチに送り出しました」

ーーもう1点は岩下選手と城後選手がベンチにも入っておらず、実際にけがなのか状況は分かりませんが、けが人が多い印象です。今季はそういう状況に陥っている原因は何かありますか?
「大きなけがではないのですが、トレーニングの中で違和感を覚える部分があったので、今日の試合に関しては回避しなければならない状況だったので、彼らはメンバーには入っていません。今週突然そのようなことが起こり、メンバー編成の部分での難しさはありました。ただ結果は付いてきませんでしたが、代わりに入った選手が自分の力を発揮してくれたと思います。それなりの及第点を与えられるプレーはしてくれていたと思います」

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「まずは遠く福岡までわれわれをサポートするために、たくさんの方々に来ていただきました。ゲーム中は一人足りなくなる状況になりましたが、その中で最後まで選手たちの足を突き動かしてくれた声援とサポートに感謝したいと思います。なかなか勝てていなかったのですが、また勝利を喜べることをうれしく思います。

ゲームに関しては、最近の気候では急に暑くなって、湿度の高いコンディションでの試合になったことにより、今日の試合はスタートから総力戦になると思っていましたし、そういう気象条件だったため、どちらかの足が止まるケースもあるのかなと思っていました。前半は球際のバトルも多い展開の中で0-0で折り返し、後半は次第に前へ出て行くパワーを失っていく中でビハインドの状況に陥る失点を喫しました。

ただ何と言っていいのか分かりませんが、退場者が出たことで試合の潮目が変わったのかなと思っています。やはり人間がやるスポーツですので、数的優位になったことで福岡さんが多少引いた影響が出たのかなと思いますし、われわれは勝利がない状況だったことで10人になっても勝ちに行く姿勢を出せた影響もあって得点が生まれたのかなと思っています。

昨季はJ1を戦っていた福岡さんが相手だったため、真の意味でチャレンジャーとして戦えるということを選手たちに話して彼らを送り出しました。コンディションがキツい中、90分間、10人になった中でもチャレンジし続ける姿勢を見せ続けてくれた選手たちに感謝したいと思います」

ーー2点あります。58分に森村(昂太)選手から吉濱(遼平)選手への選手交代がありましたが、比較的早い時間帯での交代になったのかなと思います。まずはその意図を聞かせてください。また試合終盤にはボランチの井上(裕大)選手に代えて、平戸(太貴)選手を投入しましたが、彼を起用した意図もあわせて聞かせてください。
「森村から(吉濱)遼平に代えたことに関しては、それまでは0-0の流れは作れるかなと思っている中で、吉濱は多少ハードワークの量の部分で目をつぶらないといけないところがありますが、攻撃のクオリティーという意味では人と違ったことを出せる選手でもあります。今日に関してはできるだけ早い時間帯に点を取りたいと思っていましたので、早めの選手交代をしましたが、それで結果的に1失点してしまったので、それが正しかったのかどうかは分かりません。ただ3得点とも彼のアシストから生まれていますので、彼の仕事を果たしてくれたと思っています。

平戸の起用に関しては、人数が減っていたので、運動量のある選手を入れたかったことと、まずは追い付く必要がある展開の中で、マイボールになるときもあるだろうから、人数が少ない中で点を取るためには1本のパスで打開することなどで勝負が決まってくるだろうと考えていました。平戸は、そういうプレーにこだわりを持っていて、そこで勝負できる選手でもあるので、彼を起用しました。その一方で井上はゴール前に出て行き、ときには最終ラインの前まで戻るようなプレーをずっと続けていましたし、10人になったあともそれを続けていましたので、かなり疲れていたことも含めて平戸を起用しました」

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