「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】【マッチレビュー】Fリーグ第12節・名古屋vs町田/森岡薫、意地の2ゴールも及ばず。ペスカドーラ町田、“アジア王者”・名古屋オーシャンズに惜敗

■SuperSports XEBIO Fリーグ 2016/2017 第12節・8月28日(日)14:30キックオフ
テバオーシャンアリーナ/1,483人
名古屋オーシャンズ 3-2 ペスカドーラ町田
【得点者】名古屋/02:53 シンビーニャ 19:11 前鈍内マティアスエルナン 33:20 オウンゴール 町田/19:25 森岡薫 38:43 森岡薫

▼タイトルホルダー同士の一戦は白熱の展開に

Fリーグ開幕戦に続く、Fリーグ9連覇中の“絶対王者”・名古屋オーシャンズと昨季の全日本選手権を制したペスカドーラ町田とのリターンマッチは、タイトルホルダー同士のゲームらしく、白熱した攻防が展開された。

名古屋セントラル3日目、チーム主将・金山友紀を欠いた町田は、7月のAFCアジアフットサルクラブ選手権2016を制した“アジア王者”名古屋を相手に、序盤から劣勢の展開を強いられてしまう。開始早々の2分53秒。ダニエル・サカイの強引なミドルシュートに反応したシンビーニャがシュートコースを変えて、名古屋が先制点を奪った。町田にとっては2分33秒に古巣戦となった森岡薫を投入した矢先の先制点献上。いきなり出鼻をくじかれた格好になった町田だったが、かつての“名古屋のレジェンド”・森岡を中心に反撃へと転じた。

4分32秒には名古屋のミスを突き、カウンターから横江怜が名古屋ゴールを脅かす。さらに町田の10番・森岡がマッチアップする相手をはがしてシュートに持ち込む形や、ワントラップからの反転シュートなど、卓越した個人技で名古屋ゴールを強襲した。しかし、名古屋は前半終了間際という効果的な時間帯に再び加点する。19分11秒、左サイドのシンビーニャのパスから前鈍内マティアスエルナンの左足シュートがクロスバーを強襲しながら、町田ゴールに決まった。

開始早々と終了間際という効果的な時間帯に得点を奪った名古屋は、“王者”らしく、貫禄の試合運びを見せた。しかし、全日本選手権王者もこのまま黙って前半を終わらせなかった。19分25秒、“古巣戦”に燃える森岡が篠崎隆樹のパスを右足裏でのトラップから一切ムダな動きのないシュートを沈めて、反撃の狼煙をあげた。

▼名古屋の“王者”たる所以

町田の反撃の機運が高まった後半は、一進一退の攻防が続く。9分39秒には中井健介のパスを受けた室田祐希が決定機を迎えたものの、名古屋のGK・篠田龍馬に阻まれて得点を奪えない。

「名古屋は守備が強くなった」とピレス・イゴールが振り返ったように、試合は名古屋が堅い守備で町田の攻撃をしのぐなど、1-2のままで推移していく。そして、“勝負どころ”を逃さない名古屋は、33分20秒。自陣からカウンターを発動し、星龍太のシュートは一度イゴールに阻まれたが、シュートをブロックしたこぼれ球が懸命にゴール前へ戻っていた町田・森谷優太の体に当たり、町田ゴールへと吸い込まれた。

オウンゴールで点差を広げられた町田は、終了間際の38分43秒。滝田学のポスト直撃シュートのこぼれ球を森岡が押し込み、1点差に詰め寄った。さらに町田は残り51秒の時点でタイムアウトを取り、最後まで果敢にゴールへと迫った。しかし、結局1点及ばず、試合終了。町田は名古屋に2-3のスコアで敗れている。

相手にダメージを与える時間帯での2得点と“勝負どころ”を逃さないカウンターで追加点を奪い、勝ち切るーー。名古屋が王者たる所以を見せ付けたタイトルホルダー同士の一戦は、町田が「全力を出し切って戦った結果」(岡山孝介監督)の惜敗だった。

Photo&Text by 郡司 聡(Satoshi GUNJI)

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