「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】J2第19節・町田vs愛媛/町田・相馬直樹監督、愛媛・木山隆之監督、河原和寿選手、瀬沼優司選手、小島秀仁選手、茂木力也選手(5,674文字)

■明治安田生命J2リーグ第19節・6月19日(日)18:00キックオフ
町田市立陸上競技場/3,481人
FC町田ゼルビア 0-1 愛媛FC
【得点者】愛媛/51分 内田健太

 

■相馬 直樹監督(町田)
——まずは試合の総括をお願いいたします。
「まずは時折、雨も降ることがあった日曜日のナイトゲームにたくさんの方々に来ていただきましたことに感謝を申し上げたいと思います。昨季、J1昇格プレーオフに出場した愛媛さんに対して、あらためてチャレンジャーとしてぶつかろうと選手たちと1週間の準備をして臨んだゲームでしたが、結果的に言うとちょっと勇気が足りないゲームになってしまったかなと思います。そうなってしまった原因は、試合への持って行き方など、私自身の原因による部分がありますし、相手のやり方を想定させて、どう試合に入っていくかということを含めて、われわれにもう少し勇気が必要だったかなと思っています。細かいところはあらためて映像を見ないと分からないですか、最後追い付けなかったものの、最後まで戦ってくれた選手たちに感謝したいと思います。そのエネルギーを次に切り替えて、次の横浜FCとのアウェイゲームに向けて、勇気を持って勝利を勝ち取れるように頑張りたいと思います」

——特に前半は愛媛さんに縦を切られて、チャンスを作れない展開でしたが、最後まで点が入らなかったことに関して、どのようにお考えでしょうか?
「ペナルティーボックスの近くまで行けば、思い切りの良さや逆に冷静さが必要だとも思いますが、今日に関してはラストのプレーでの勇気というよりも、作りの段階での攻撃のスイッチをなかなか入れることができなかったことが一つ、大きかったのかなと思っています。スイッチを入れるもう一つ前の段階での作りの部分も見直さないといけませんが、スイッチを入れるもう一つ前の作りの段階を消されたかなとも思っています。ただわれわれとすれば相手のやり方に関わらず、自分たちがボールを前に運ぶという勇気や意思を持つことが必要です。当然前にボールを運べば、フィフィティ・フィフィティ、もしかしたらそれ以上の確率でボールを失うケースがあるかもしれませんが、ただわれわれはそういう戦い方をしてきていますし、今日はそれができないことも多かったです。ただ勇気を持って前にボールを運ぶことができれば、迫力を持ってボックスの中までボールを運ぶ形も作れていたと思いますから、その回数をもっと増やしていきたいと思っています」

——ハーフタイムでは、前半を踏まえて、後半の戦い方に関して、どんな話をしたのでしょうか? すべては話せないと思いますが……。
「それは話せないですよね……。映像を確認しないと分かりませんが、失点をした付近の時間帯は、前半の修正を元にわれわれがボックスの付近までボールを運んでいた中で、バランスが崩れたのかもしれませんが、愛媛さんの後半のファーストチャンスに近い形から失点をしてしまったと思います。ただ自分たちの立場では、前半の修正を元にボールを動かせるという感触は多少ありましたが、失点によって、相手の守備意識が高まった部分もあったと思いますし、攻め方が悪かったとは思いませんが、考え過ぎたというか、チームとしての狙いが共有されない時間帯があったのかなと思っています」

 

■木山 隆之監督(愛媛)
——まずは試合の総括をお願いいたします。
「前節は徳島とのダービーで負けてしまって、みんなが悔しい思いをしたので、それをなんとか払拭しようとここ町田まで来ました。選手たちはよく戦ったと思いますし、ゼルビアはJ2で勝ち点を取っているチーム。その相手に対してしっかりと戦えていたと思う。中身に関してはたくさん言うことはないのだが、思ったようなプレーはできていたし、最後はパワープレーで押し込まれましたが、よくはね返してくれたと思う。また頑張ります」

——町田の縦のパスコースをうまく消していたと思います。前の3枚とボランチが大きな役割を果たしていたと思いますが、そのあたりの意図を教えていただけますか。全部はお話しいただけないと思いますが。
「僕が話すことは良いのですが、町田がこれからしんどくなると思いますので、止めておこうと思います。良い守備をしたと思います」

——前節の敗戦を受けて、自分たちの良さを取り戻すことを集中的にやられたと思いますが、その点はいかがでしょうか?
「自分たちのことはいくら言っても構わないと思うので、話します。しっかりとゲームを作っていくために、強い守備をしていくことと、これはやり切れなかったが、持てるときはボールを持って攻撃することを両立させようとした。攻撃は物足りなさを感じることはあったが、守備はよくやれていたと思う。そこは良かった。ただわれわれには目標があるので、僕たちはこんなことで満足してはいけない」

 

■MF 20 河原 和寿(愛媛)
早く町田ぐらいの順位に行けるように頑張りたい
「鈴木孝司選手、中島選手はボールを収められるので、そのストロングポイントを消すために、スライドを早くして、先にボールに触って、セカンドボールを拾うことを狙いとしていた。すべてプランどおり。僕たちはスタッフがスカウティングしてくれたことを選手たちはピッチで表現するだけだったので、まさに今日はスカウティングの力で勝てたんじゃないか。(ファーストDFがしっかりしていて、相手に蹴らせている印象でした)それは狙いです。相手はボールを持っている印象だと思うけど、相手にとってはイヤなところに入っていけないという感覚だったと思う。それが狙いで前半からボールを奪ってカウンターの展開をしかけることができていた。守備はハマっている感じがした。攻撃に転じたあとの質を上げること。もう少し押し込んで幅を使ってワイドの4枚が4バックにしかける形を増やせれば、ワイドがもっと生きると思う。シンプルにボールを動かしながら、守備も攻撃も結構やっていたので、練習の成果だと思う。ピンチは結構あったので、運が向いてきた。アウェイでも勝ち点3を取れた。上に行くために、連勝をしないといけない。早く町田ぐらいの順位に行けるように頑張りたい」

 

■MF 10 瀬沼 優司(愛媛)
守備のクオリティーを90分を通じて上げていきたい
「サポーターの方々がすごく期待をしてくれた前節・徳島とのダービーを落としてしまって、ガッカリさせてしまったので、少しチームの雰囲気も元気がなかったけど、そのままズルズル行っても良くないので、チーム一丸となって、僕たちはまた上に上がっていくんだと、一致団結して戦った。ゼルビアは昨季J3にいたチームだけど、昨年の成績は関係なく、J2で上位にいるチームだから、僕たちがチャレンジャーとして、球際などで向かっていく姿勢を表現できたんじゃないかと思う。(シャドーの位置は守備のタスクが多かったのかなと思います)攻撃より守備に重点を置いて試合に入った。前が守備でキツくなることは分かっていたけど、でもそれはチームが勝つための役割だった。前に続いて、シャドーや後ろのボランチも連動してしっかりと良い守備ができた。ゴールこそ多く入らなかったけど、パスをつながれて崩される形はなかったと思うし、特に前半はまったくチャンスを作らせない守備ができた。その守備のクオリティーを90分を通じて上げていければと思う。もう前半に関しては狙いどおりで、後半はプレスの質が落ちたり、体力的に落ちてきたことでチャンスを作られてしまった。相手のシュートミスで失点はゼロに抑えられたけど、相手のチャンスをもっと少なくして、チャンスを増やせるようにできればいい。前節のダービーを落として、落ち込んでいる場合ではなかったし、長いシーズンが続く中での1試合なので、良かったことは継続して、良くなったことは反省して、一喜一憂せずに、最後終わったときに自分たちがどういう順位にいられるのか。そういうことを考えてしっかりと練習していきたい」

 

■MF 8 小島 秀仁(愛媛)
守備の形をしっかりと表現できた
「ミーティングで話していたとおりの守備の形をしっかりと表現できたのかなと思う。相手は[4-4-2]で中央に入ってくるというよりは、サイドから攻撃をしてくるイメージがあったので、サイドをシャドーが消しながら、真ん中はボランチが2対2だったので、そこにボールが入ったときは僕たちが強いアプローチに行って、サイドにボールを出させて、サイドにボールが出たときは厳しくアプローチに行く狙いをミーティングで話していた。前の選手がよく追ってくれてコースを限定してくれたので、ボールを取りやすかった。中をギュッと締めるというよりも、中に人はおらず、町田は選手が外に張っているイメージだったので、最初から中はダブルボランチの僕らがカバーをして、シャドーがウイングバックとの距離を詰めて、サイドの選手に行けるようにすることをイメージしていた。奪ってから前に早く展開することは、昨季はできていたけど、今季はできていなかったので、そこは練習から取り組んできたこと。ただ自分のところでもっとボールを動かせれば良かった。

(後半は1点を取ってから押し込まれるような形になりました)相手の背の高いFW(戸島)が入ってきて、町田のやり方がハッキリしてきた中で、はね返せなくなっていた。それは課題だけど、守り切れたことは良かった。前からプレッシャーをかけたときでも、ロングボールで外されていたので、ボランチのところを飛ばされて、背の高い選手のロングボールに対するファーストチャレンジで負けて、ラインが下がったことで難しかったけど、最後はみんなが頑張って耐えてくれて、勝てたことは大きい。(得点シーンにつながった縦パスの狙いについて)中央がミスマッチになって空くことを突くのは狙いとしていたので、そこにFWのトヨくん(阪野)が良い形で入ってくれたのでパスを出すだけだった。ラストパスを出すことは監督からも求められていることだし、それは僕自身の課題でもある。今日は得点につながったけど、もっともっとやらないといけない。(中央を割った得点シーンは相手にも相当なダメージになったのでは?)最近はなかった得点のパターンで、今回はワイドのウッチー(内田)が中央に入り込む形だった。良い形で得点になったことは自信になる。やっぱり勝った次の試合が大事で、それによって大きく変わる。まだ今季は一度しか連勝できていないので、どんな形であれ、また勝利を狙っていく」

 

■DF 15 茂木 力也(愛媛)
勝ち続けないと意味がない
「(今日はリベロのポジションに入りました。課題と話していたラインコントロールはいかがですか?)後半は背の高い選手が入ってきて、相手が結構蹴ってきたので、少しラインが下がってしまったけど、前半はうまくラインコントロールをできたと思いますが、何回かクサビが入ってきた中で対応が遅れるシーンもあった。ラインコントロールを意識しながら難しい部分もあったけど、次はもっと改善していきたい。練習で厳しくやっていれば、試合でも厳しくできる。今日の試合を機に連勝できるように、また練習が大事になってくる。今日勝ったことは良かったけど、勝ち続けないと意味がない。連敗をしていたぶんも、連勝していきたい。練習からまた競争になるけど、頑張りたい。(久しぶりのリベロで結果も出たことで自信は付きましたか?)久しぶりのリベロで無失点に抑えたということは良かったと思う。失点をしなければ負けることはないので、無失点で終えられて良かった。(後ろから見ていて、守備のハマり具合はいかがでしたか?)2トップが裏へ抜けてくる印象だったので、あまり前からプレッシャーをかけに行き過ぎても、相手に大きく蹴られてしまうこともあるので、トヨくん(阪野)を少し低めの位置からスタートさせての守備だった。ピンチもあったけど、守備はうまくいっていたと思う。なかなか連勝をできない中で、一つ勝てたことは大きい。勝たないと連勝は始まらない。チームとして上向きになるためには良い勝ち点3だったと思う。

(リベロのポジションでは監督からどんなことを求められているのでしょうか?)ビルドアップの能力もそうだし、それだけできてもリベロのポジションは務まらない。リベロのポジションを極めるには、もっともっとラインコントロールが必要だし、周りの選手をコントロールすることはもっともっとやらないといけない。監督からはそういうことを求められていると思う。自分は足が速かったり、背が高いわけでもないので、予測をもっと早くしないといけない。ほかの選手には負けない予測の速さは持っておかないといけないと思っている。(浦和から期限付き移籍で愛媛に来て、どんなシーズンにしたいと思ってプレーしているのでしょうか?)昨季は浦和で1試合も出ていないから、愛媛では1試合でも多く試合に出ることを目標にしている。いまのところ、試合には絡めている。いろいろなポジションをやっているので、いまのスタメンの選手からポジションを奪い取ってやろうという気持ちは強く持っている。どこのポジションというこだわりはないし、起用されたポジションで監督の要求に応えたいと思っている。浦和の阿部(勇樹)さんもどこで使われてもクオリティーの高いプレーをするし、阿部さんのような選手を目指しているので、特にこのポジションをやりたいというこだわりはあまりない。(レッズの試合はチェックしているのですか?)毎試合見ています。いまの結果は『どうしたのかな?』と思いますが、最終的には優勝争いに絡むチームだと思っているし、それぐらいレベルの高いチーム。いまは愛媛の一員だけど、浦和でプレーすることが目標でもある。そういうチームのサッカーを見ることは大事なので、いつもチェックしています」

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