「ゼルビアTimes」郡司聡

【無料公開】J3第33節・町田vs富山/町田・相馬直樹監督、富山・澤入重雄監督、北井佑季選手、江角浩司選手コメント(3,874文字)

■明治安田生命J3リーグ第33節10月11日(日)16:00キックオフ
町田市立陸上競技場/3,163人
FC町田ゼルビア 2-0 カターレ富山
【得点者】町田/48分 鈴木孝司、75分 リ・ハンジェ

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括からお願いいたします。
「今日は午前中から少し雨が降るような天候の中、ここ野津田にたくさんの方にお越しいただき感謝、お礼を申し上げます。そういったサポーターの方々の後押しもあったおかげでなんとか勝利を収めることができました。われわれにとって残り7試合という状況の中で、上とはポイント差がある状況ではありますが(首位・レノファ山口と勝ち点差9)、われわれは勝ち続けるしかないことを選手たちにも話してきました。われわれは前節が休みの中で、間が空いたので、もう一度チャレンジしようと確認して臨んだ一戦でした。そういった思いの部分を選手たちはよく表現してくれたと思います。それがシュート数25対6という数字にも表れていたと感じています。ただシュートをたくさん打った一方で2点しか取れなかったことも事実です。点を取ることはさらに突き詰めていかないといけないと思っていますし、当然危ないシーンがまったくなかったわけではありません。勝ち点3を取ることが一番大事な中、サポーターの方々の後押しもあって勝ち点3を取れたこと、チャレンジする姿を見せられたと思います。ぜひ今日の勝利をこの先の勢いにつなげられるように頑張っていきたいと思います」

ーー25本のシュートを打ちましたが、ミドルレンジのシュートが多かったかなという印象です。攻撃面の評価について、もう少し聞かせてください。
「富山さんが監督交代をしたあとのスカウティングの結果、しっかりとブロックを作って前線のスピードを生かしたカウンターをしかける戦い方になっていました。そうした中で(カウンターを食らうリスクを減らすためにも)フィニッシュで終わること、ミドルシュートを打つことで下がり気味になるラインを前に出したいという意図もありました。もちろん、ミドルシュートの精度を上げたいと思っていますし、もう一工夫は必要だったと思いますが、最終的にはいろいろな意味で後半にミドルレンジのシュートが効いた形になったかと思っています」

ーー中2日で天皇杯を迎えます。J2で好調な福岡に対して、どういう試合を見せたいとお考えでしょうか?
「まだ目の前の試合が終わったばかりで、もちろんスタッフは見てくれていますが、福岡の映像もまだ見ていません。ただ福岡は好調で守備が堅いということは数字的には分かっております。そういった守備が堅い相手から点を取ることを求めていかなければならないと思っています。天皇杯の2試合においても、今日も無失点で抑えられましたし、選手たちの中には守備への自信もあると思っています。それがどこまで通用するのか。選手たちとチャレンジしたいと思っていますし、リーグ戦の合間の試合なので、いろいろなことを考えながらやりますが、ギリギリまでできる範囲でチャレンジをしていきたいと思っています」

 

■澤入 重雄監督(富山)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「われわれのチームは選手たちが気持ちを入れ替えて前を向いて戦ってくれて感謝している。ただ結果が出なくて悔しい思いでいっぱい。非常にバランスよく前半から戦っても結果が出なかったことはチームとしての課題を残したと思っている。得点を決められなかったことは、町田さんが失点をしないことに関して神経を使って戦っていた結果だと思う。そういうチームに対して得点を奪い取る強いチームにならないとこのリーグを勝ち上がっていけないということをあらためて再認識した」

ーー三上(陽輔)選手と進藤(誠司)選手をこれまでと違うポジションで使いましたが、その意図は?
「三上のSBの可能性を試したかった。三上はもともと前のポジションの選手で今季に関してはボランチで起用されてきたが、今日に関しては彼のSBでの可能性を試したかった。(左サイドハーフで起用された)進藤はもともと前のポジションの選手で、前へ出たときのパワーやゴール前に入っていくプレーが持ち味。こういう厳しい試合でもっと成長してほしいという思いの下、今日のポジションで起用した」

ーー前節の敗戦で昇格の可能性がなくなったことで、この試合に向けてのメンタル面のケアは難しかったと思いますが、どんなことに重点を置いて取り組んできたのでしょうか?
「今日はまだまだ足りないこともあるが、今日の合言葉はボールを奪われたあとにすぐに守備に切り替えるということだった。絶対にそこをみんなでサボらないことを意識付けして、それに関して終始一貫してトレーニングを積んできた。強い気持ちや強いメンタリティーというのを言葉で言うことは簡単だけど、ピッチの中でそれをどう示すかということで、ボールを奪われたあとにすぐに守備に切り替えるということを合言葉にしてやってきた」

 

■FW 7 北井 佑季(富山)
速攻と遅攻のバランスをうまくやれれば良かった
「(前節・秋田戦での敗戦により昇格の可能性がなくなった中での試合でした)昇格の可能性はなくなったけど、残り6試合、今後のカターレのためにも、一人ひとりの今後のためにも全力で戦っていこうとチームでは話していた。そういったモチベーションを持った中でのゲームだった。(攻撃の狙いについて)カウンターはもちろん狙っていたし、無理だった場合にボールを保持して崩す形も狙っていた。そのバランスをうまくやっていければ良かった。カウンターで行ける場面でもゆっくりと攻める場面もあったし、逆にこっちのリズムを作るためにゆっくりとボールを保持をしても良い場面でも前に速くボールを入れてしまう傾向があった。そのバランスをもっとよくできれば良かった」

 

■GK 21 江角 浩司(富山)
もう来年に向けてのスタートは切っている
「気持ちとしてはそれほど難しい試合ではなかった。正直、もう来年に向けてのスタートは切っていると思っている。澤入さんが代行という形で指揮を執っていて、来年も誰が指揮を執るか分からないが、いまやっていることは必ず来年につながっていくこと。こういう状況でも町田までたくさんのサポーターが来てくださっている。その方々や試合に来られない方でも応援してくれる方々はいる。そういうサポーターや自分たち、そしてクラブにとっても非常に大事な試合だと思っている。試合前にもそういう話をしてきた。守備のところでは町田が背の高い23番の選手(戸島章)にボールを入れてくる形を徹底してくる中で、ミドルシュートが多かったと思うし、相手の試合内容としてもそれほど強いとは思わなかった。でもそういったチームに対して点を取れなかった。今日の試合は相手GKとディフェンスラインの選手の間にアーリークロスを入れて、2、3回チャンスを作れたし、相手のイヤがることも徹底してできていた。その決定機をモノにするサッカーで山口には勝てたけど、今日の先制点も自分のミスから失ってしまった。前節も後半の立ち上がりでの失点だった。前半をゼロで戦い抜いて後半も無失点で戦うプランでもあった。いまはそうしないと2点以上取れることも少ないので、無失点で粘って最後に勝ち点1でも奪って帰ることも大事だった。(自身のミスの場面について)バックパスが思ったよりも弱くて、その中でいけると思って蹴ったら結果的に相手に当たってしまった。その場面で前に蹴るのではなく、右足でタッチラインを割るようなキックをしておけば結果論としては良かったと思う。僕は前にいけるという判断だったし、そういう練習もずっとやってきている。まだまだ修行が足りない。もっと練習の中で緊張感を持って突き詰めていけば解決できることだと思う。
(来年の戦いはもう始まっているという気概は今日の試合で見せられたと思いますか?)みんなは気持ちを入れて前半からゲームに入れたと思う。ただマイボールにしてからどう攻めるか、連係を高める必要がある。守備の面でも限られているメンバーの中で、慣れないポジションをやっている選手もいる。そういう選手たちにとってもこういう試合で経験を積んでいくことになるわけだから、ただの1試合ではない。やるかやられるかぐらいの気持ちを持って取り組まないと。0-1になってから逆に取り返そうという気持ちになる選手がどれだけいるか……。0-2になっても1点を返せば流れも変わると思う。0-2になった時点でまだ時間は15分以上あったと思うけど、下を向いてしまう感じがした。もっと強いメンタリティーを全員が示す、表現することもプレーの一つだと思う。
(今季初の3連敗ですが……)サワさん(澤入監督)がやろうとしていることを選手たちがどれだけ表現できるかが大事だし、その中でピッチに入ってしまったら状況も変わってくるので、そういった状況に対して柔軟にどれだけ対応できるかが大事。選手たちがバラバラにならずに戦い続けていくことも大事だと思う。(今後に向けて)ホームでなかなか勝てていないからホームゲームで勝つ姿を届けたい。それを続けていかないとお客さんも減る。僕たちは結果で示すことでしか、お客さんも増えていかないし、成績も上がっていかない。何も良いことはないので、与えられた状況の中で選手たちでまとまって目の前の試合に向けて最高の準備をして、最高のパフォーマンスをチームとして表現できるように追求していきたい」

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