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宮尾「プレーできるありがたさを感じながら全力で」シュタルフ監督「サッカーができることは活力を与えること」被災地に本気の戦いで活力を、長野戦に向けて【J3第26節・vs長野(延期分)】

2019年10月29日 横浜
(PHOTO,TEXT・佐藤功)

時間がない。前節から中3日は、身体的な疲労との戦いである。さらに中盤の一角である佐藤祐太が累積で出場できない。「最低でも1人」メンバーが変わることは確実となっている。それに伴うシステム変更の可能性、また疲労によるターンオーバーの可能性、その判断をこの中3日で行っている。

そして同じく中3日となる長野の動向も気になる。前節、長野はスタメンを4人入れ替え、3バックではなく4バックの布陣で戦った。長野もシステム変更の可能性があり、ターンオーバーの可能性がある。その対策もこの中3日で行っている。

だからこそ、『いつも通り』が重要となってくる。いつもとは違う状況から、いち早く自分たちのサッカーに持ち込めるのか。本牧の練習場ではいつものように、どんな状況でも誰が出ても自分たちのサッカーができるように、攻撃的な自分たちの哲学を貫きトレーニングを行っていた。

台風の影響で延期となった試合が行われる。あの時とは状況も違えば、心境も異なる。それでもいつもと同じように、公式戦の本気の戦いを魅せるためにまた長野へ向かう。

 

▼NEXT MATCH
2019明治安田生命J3リーグ 第26節
AC長野パルセイロ ― Y.S.C.C.横浜
2019年10月31日(木)19:00 長野Uスタジアム

 

▼いつも通りのYSのサッカーを

シュタルフ悠紀リヒャルト 監督

シュタルフ まず、災害は実際に自分が関わらないと深刻さはあまり伝わってこない部分があると思います。僕たちは実際に目と鼻の先に千曲川がある場所にいて、ホテルから民家が2階ぐらいまで浸水しているところを見て、突然襲ってくる自然災害の恐ろしさを肌で感じました。まだまだ時間がかかると思いますし取り戻せないものもあると思いますが、サッカーができることはエンターテイメントとして活力を与えることだと思います。寄付やボランティアなどいろんな関わり方がありますが、日々の悩みや辛さを忘れて楽しんでもらえる、非日常を味わってもらうことが僕らができることだと思います。サッカー選手としてクラブとして熱い戦いを魅せて今日の試合は面白かった、あのチームがすごかった、いいゴールだったと微力ですけれども多少なりと活力を与えられればと思います。絶対選手たちと一緒に、一生懸命魅せていこうと意気込んでいます。

――前節から中3日ですので、時間がありません。

 シュタルフ 前節は負けましたが負けてはいない内容ですので、引き続きいい戦いはできています。身体的な疲労をいかに抜きながら準備できるかというのがこの中3日の過ごし方のポイントだと思いますので、そこをコントロールできれば長野戦でもいいパフォーマンスを魅せれると思います。その身体的な疲労に加え、佐藤が累積で出場はできません。ですが逆を言えば控え選手にとっては最低でも1人に出場のチャンスがある状態です。ここ数ヶ月で控えの選手たちはよくなってきていますので、彼らには期待をしています。しっかりとチャンスをつかむ気持ちで、自分の力をアピールしてほしいと思います。僕らは共通のフィロソフィーがありますので、誰が出ても理解は浸透していますのでいつも通りのYSのサッカーが展開できると思います。そこに新しく入った選手のスパイスに期待したいと思います。

――戦略、戦術に関しても準備の時間はありませんが、台風で延期する前に準備は行われています。それがベースとなるのでしょうか?

シュタルフ その準備は万全でしたので問題はありませんが、長野が前節にシステムを変えて戦っています。その新しいシステムも想定していますので、いつも通り時間をかけてミーティングをして1週間落とし込んでいく作業はできませんので、その整理の時間がないのは少しデメリットかなと思います。ですがこれまで戦ってきた経験値がありますので、その過去の引き出しから思い出しながら自分たちのサッカーでゲームをやりながら変えていけるような準備をしています。

 

▼全員がやることを徹底して

宮尾孝一

宮尾 前節は北九州に悔しい敗戦でしたけれども、できた部分は大いにありましたのでプラスに捕えて次の長野戦でも出せるようにしていきたいです。今のチームであれば、全員がやることを徹底していいパフォーマンスを出せば必ず勝てると思います。攻撃は強みですので立ち上がりからいい入りができれば点は獲れると思いますし、後ろがどれだけ我慢して守れるかが次の長野戦も勝敗に関わってくると思います。

――延期となった長野戦の時、台風の被害をSNSで写真を交えてその体験を発信されていました。宮尾さんご自身いろんなことを感じられたと思いますが。

宮尾 被災された方々の無事を祈ることしかできませんでしたが、何か伝えることができればと思ってSNSを使って発信をしました。肌で災害を感じていろいろと感じる部分はありました。その地でプレーしている長野の選手たちは苦しい想いをしたなかで今プレーをしていると思いますし、被害がなかった僕たちはプレーできていることは本当に幸せだと思います。宿泊していたホテルでは食事もさせてもらいましたし、無事に横浜に帰ることができてありがたい気持ちがいっぱいです。そのありがたさを感じながらプレーをしないといけないと思いますので、この試合も全力でプレーをします。

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