デイリーホーリーホック

「歓喜と爆笑のドラマ再び!『ホームタウンPR大使ドラフト2025』」【HHレポート】※無料記事

【写真 米村優子】

2月2日、城里町石塚のコミュニティセンター城里で「ホームタウンPR大使ドラフト2025」が開催されました。
日本プロ野球界のドラフト会議のように、ホームタウン15市町村が獲得を希望する選手達の順位を付けた名簿を提出。重複した場合、くじ引き抽選によってPR大使を勝ち取る一大イベントは今年で4回目。
歓喜と爆笑のドラマが再び誕生する瞬間を見届けようと、サポーター約300人が来場しました。

【写真 米村優子】

PR大使ドラフト指名に関する唯一のルールは、過去に自分の市町村のPR大使を務めた選手を含むペア、トリオを“優先して”選べないこと。
例えば、昨年の「おらが街PRリーグ」で優勝した城里町は、PR大使を務めた杉浦文哉選手や長尾優斗選手がいる組を1位指名することを避けなければいけませんが、さまざまな選手が担当することで応援する選手が増え、クラブ、ホームタウンの相互理解を深める機会を提供するために独自ルールが採用されています。

【写真 米村優子】

城里町の上遠野修町長や小島耕社長が挨拶した後、司会進行に本間幸司CROも加わり、いよいよ選手達によるPRタイムがスタートしました。
トップバッターは大崎航詩選手と板倉健太選手ペア。
「昨日の茨城ダービーで大活躍した板倉健太です!」と大卒ルーキーは絶えず笑顔でしたが、一方の大崎選手は2023年のドラ最下位のトラウマを未だ引きずっているのか、終始不安を拭えぬ表情。
続く、牛澤健キャプテンと新加入の松山健太選手ペアは、日本と中国のハーフである牛澤選手が国際色豊かにPRすることをアピール。
前田椋介選手と知念哲矢選手ペアは、SNSのフォロワー数が多い知念選手が投稿を通じたPRを提案して、各自治体担当者の興味関心を集めました。
そして、久保征一郎選手と渡邉新太選手のストライカーペアは「二人合わせて100得点」を声高らかに宣言。メディアへの露出度アップを約束することで、1位指名を獲得しようと試みます。

【写真 米村優子】

今年は、加入歴が長めの選手達による逆指名が数多くあったのが特徴です。
陶芸好きの安藤瑞季選手と奥田晃也選手のFWペアは笠間市、“レペゼン城里”と称する梅田魁人選手と芦部晃生選手は城里町、大崎航詩選手と板倉健太選手はバンジージャンプチャンスがある常陸太田市、草野侑己選手と飯田貴敬選手は草野選手が在住するひたちなか市へ熱烈アピール。
村田航一選手・鷹啄トラビス選手・齋藤俊輔選手(U-20代表活動中のため欠席)トリオは、「日立市出身の多田(圭佑)の存在を忘れていた」という村田選手がうっかり日立市を逆指名してしまうハプニングもあり、ドラフトの展望は混沌とした状況に。

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また、サポーター待望の若手選手による一発ギャグでのアピール合戦も行われ、松原修平キャプテンと大卒ルーキー・山本隼大選手ペアは、山本選手がお笑いコンビ・オードリーの春日俊彰さんに扮して「トゥース」ポーズをする度に会場が沸いていました。

【写真 米村優子】

そして、15市町村の担当者が悩んだ末、ステージ上のボックスへの入札が終わると、運命の開票がスタート。
各市町村の大本命が出揃う1巡目で、単独指名を受けたのは6組。
今季加入した日立市出身の大卒ルーキー・多田圭佑選手と杉浦文哉選手のペアは、予想通り日立市が獲得。
キャプテン組は、“オードリー山本”のPRが成功した松原&山本ペアは那珂市に、牛澤&松山ペアは北茨城市へ順当に決定しました。
毎年ユニークな企画でPRリーグを盛り上げる常陸太田市は、アプローチがあった大崎&板倉ペアを指名。
二人の名前が読み上げられた瞬間、大崎選手はその場で盛大にジャンプし、板倉選手と熱い抱擁を交わして全身で喜びを表現していました。
そして、梅田&芦部ペアや安藤&奥田ペアは逆指名が実り、同じく歓喜する姿が見られました。

【写真 米村優子】

人数が増えれば、当然アピールの度合いも高くなるPRリーグ。そのため、トリオ組は毎年指名が集中します。
今年5組もあり、中でもナンバーワン人気は長尾優斗選手・沖田空選手・内田優晟選手トリオ。
水戸市、小美玉市、茨城町3市町が競合の末、小美玉市が獲得しました。
そして高萩市と東海村が競合した村田・鷹啄・齋藤トリオは、獲得された東海村の公式キャラクターのイモゾーとそのファミリーのぬいぐるみキャップで記念撮影をして、早速PR活動に貢献。
寺沼星文選手・西川幸之介選手・碇明日麻選手トリオは、大洗町と大子町が競い、大子町に軍配が上がり、7市町が競った2巡目では、野瀬龍世選手・川上航立選手・早川ウワブライト選手トリオに3自治体が集中し、水戸市のPR大使になることが決定しました。

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そして、今年も爆笑を掻っ攫ったのは、「ホームタウンPR大使ドラフト」で誕生した名物担当者、常陸大宮市の宮田竜一郎さん。
宮田さんは一昨年からドラフトのロゴが描かれた紙を一度も引き当てたことがなく、常陸大宮市は2年連続で最下位。
2025シーズンのドラマは、ひたちなか市と同市を逆指名した草野&飯田ペアの蜜月に常陸大宮市が待ったをかけたところから大きく動き出しました。
これまでの負のジンクスを断ち切るべく、昨年と全く同じ服装で来たという宮田さん。
それが裏目に出たのか、1位指名した草野&飯田ペアは、ひたちなか市に獲得されてしまいます。
この時点で、「『今年も来たな…』と思いました」と一昨年から続く不穏な流れを肌で感じ始めたと言います。

【写真 米村優子】

宮田さんに対して、一向に振り向く気配がないPR大使ドラフトの神。
大洗町と競合した2巡目、宮田さんは封筒に手を差し入れた時点で白紙を察知したのか、取り出すことなく、隣の大洗町の担当者が喜ぶ姿を見届けると、そのままステージ脇へ。
果たして、宮田さんは今年も当たりを一度も引けずに終わるのか。それとも初の自力獲得で有終の美を飾るのか。
常陸大宮市の命運を懸けた最終3巡目は、高萩市とのガチンコ対決に。
その行く末を会場の全員が固唾をのんで見守る中、宮田さんが勢いよく開封して掲げると、会場にいる多くのサポーターの予想通り、票は真っ白。
劇的な結末に苦笑いする宮田さん、複雑そうな大森渚生選手&飯泉涼矢選手の姿に、会場はこの日一番の爆笑に包まれると、昨年の常陸大宮市PR大使だった松原修平選手が「3年連続(最下位)おめでとうございます!」と笑い混じりで祝福(?)のコメントをしていました。

【写真 米村優子】

今年も相変わらずドラフト指名最下位となった宮田さんでしたが、“残り物には福がある”もの。
森直樹監督から「イベントを盛り上げてくれたお返しに、常陸大宮市のPRに協力します」とまさかの逆指名があり、嬉しいサプライズに喜んでいました。

【写真 米村優子】

イベント後は、サポーターから握手を求められたり、ねぎらいの声や応援の声が送られるなど、すっかり常陸大宮市の顔として人気者の宮田さん。
「ホーリーホックのファンは温かいです。皆さんにいじっていただけると、常陸大宮市を知っていただけるきっかけになるので有り難いですね。ドラフトではみんなが(当たりを)引いてくれたので本当に良かったです(笑)。一昨年は大崎航詩選手と小原基樹選手、昨年は松原修平選手と後藤田亘輝選手と、最後まで残るのはいい選手ばかり。今年も最高ですね。飯泉選手、大森選手と3人で常陸大宮市を盛り上げたいと思います」
PRの目玉となる「常陸大宮市の日」のホーム戦では、「監督やPR大使とのコラボ丼を企画したい」と意欲を燃やしていました。

【写真 米村優子】

地方創生や地域活性化、ホームタウンとクラブの連携強化につながる「おらが街PRリーグ」が今季も満を持してスタートします。
白熱するピッチ外のホームタウンPR合戦にも、ぜひ注目しましょう!

【写真 米村優子】

【ホームタウン15市町村 PR大使】
■水戸市 41 野瀬龍世/77 早川ウワブライト/82 川上航立
■日立市 14 杉浦文哉/25 多田圭佑
■ひたちなか市 6 飯田貴敬/11 草野侑己
■笠間市 9 安藤瑞季/44 奥田晃也
■那珂市 21 松原修平/39 山本隼大
■小美玉市 15 長尾優斗/27 沖田空/49 内田優晟
■常陸太田市 3 大崎航詩/36 板倉健太
■北茨城市 4 牛澤健/31 松山健太
■常陸大宮市 2 大森渚生/35 飯泉涼矢
■高萩市 18 尾野優日/23 津久井匠海/24 山﨑希一
■茨城町 7 渡邉新太/22 久保征一郎
■城里町 17 芦部晃生/20 梅田魁人
■大洗町 5 知念哲矢/10 前田椋介
■大子町 32 碇明日麻/34 西川幸之助/45 寺沼星文
■東海村 8 齋藤俊輔/19 村田航一/97 鷹啄トラビス

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