「本間選手がサポーターズクラブプレミアム会員限定トークショーを実施。ホーム最終戦や引退した現在の心境など内幕を赤裸々に振り返る」【HHレポート】※無料記事

【写真 米村優子】
11月30日、水戸市小吹町のケーズデンキスタジアム水戸4階ソラデザインラウンジで「本間幸司選手VIPトークショー」が実施されました。
これはサポーターズクラブプレミアム会員限定の特別なトークショーで14人が参加。
本間選手がフル出場を果たしたホーム最終戦の裏話や引退した現在の心境など、29年間のプロ人生に関して赤裸々に語りました。

【写真 米村優子】
最初のお題は、現役最後の出場となったホーム最終戦・山形戦。
本間選手がリーグ戦に出場するのは2023年4月29日の東京V戦以来であり、「公式戦独特の試合勘が不安だった。ポジションが下に下がってくるほどサッカーは緊張度や責任感が上がる。1個のミスで失点に繋がるので」とその週は練習時から緊張していたそう。
本間選手と長年親交があり、今イベントのMCを務めた細川淳矢CRCは、森直樹監督から緊張を解くように頼まれ、試行錯誤の末、「幸司さん!今日はお祭りだ!」と背中を叩きながら鼓舞した話に会場は爆笑に包まれました。

【写真 米村優子】
本間選手がホーム最終戦で一番感動した瞬間は、選手入場時に「GK1 KOJI」のコレオグラフィーがバックスタンドに広がっていた光景を見た時。
「スタジアムに入った瞬間、ウワッ!と驚きました。あの時が一番泣きそうでしたね。もう本当に何にも代えがたいもので一生の宝物。めちゃくちゃ感謝しています」とその写真を携帯電話の待ち受け画面に設定していることも明かしていました。
現役最後の試合となったアウェイ甲府戦での胴上げシーンは、勝利した甲府側は歓喜でテンション高めの一方、水戸側は連敗の悔しさに包まれており、ピッチ上はカオス状態。
複雑な心境の中で宙を舞った裏話も披露しました。
トークショー当日は、シーズン終了から約3週間が経過。
現在の活動について尋ねられ、「特に何にもしていない。『引退すると全く動く気がなくなるよ』と周囲から言われていて、『いや、俺はやるよ』と突っぱねていたのですが、『よしやるか!』と思っても、何も迫られるものがないと、『やっぱ、いいか』となってしまう。ビックリするね」と休息しつつ、ケーズデンキから贈呈されたコードレスクリーナーで掃除をしたりと主夫ライフも満喫しているそう。

【写真 米村優子】
次はサッカー人生のターニングポイントに関する話題へ。
ゴールキーパーに転向した小学5年生に遡り、「ゴリゴリのセンターフォワードだったのですが指導者に抜擢されました。FWのままだったら、もしかしたらもっと活躍していたかもしれないけれど、でもここまで長くプロ生活は出来なかったですよね」と語ります。
そして、ホーリーホックのJ2昇格も転機に挙げ、「上がらなかったら、チームが消滅していたかもしれないと後から聞いて驚きましたよ。全国版の新聞にも出て、『お前、そこで頑張ってんだ』という連絡も結構来ました。みんな働きながらサッカーをしていた一番貧乏な時期で、『これでもう働かなくていいぞ!』と大喜びした覚えがあります」と当時の歓喜の瞬間を語ります。
味方で心強かった選手については、「ポジションが近いセンターバックの選手が多い」という本間選手。
中でも元日本代表の田中マルクス闘莉王選手については、「年下だったけれど、リーダーシップもあり、ゲームに懸ける思い、ハングリー精神は相当なものがあった」と評価し、闘莉王選手と対戦経験がある細川CRCとさまざまなエピソードで盛り上がっていました。

【写真 米村優子】
29年間と非常に長い現役生活を過ごした本間選手。
そのコンディション維持の秘訣については、「食事のコントロールと睡眠時間8時間の確保」と語ります。
また、プレー時に一ヶ所の筋肉に負担をかけないよう、さまざまな部位の筋肉や関節の連動を常に意識していたことも秘訣の一つ。
特に後ろ側の筋肉の使い方を変えたことが、長くプロとして人生を歩めた大きな理由で、「例えば、ウォーキングの時など、皆さんも太ももの裏やお尻とか後ろの筋肉を使うように意識するといいですよ」と立ち上がって実演しながら参加者にアドバイスをしました。

【写真 米村優子】
最後のテーマは、「今後の水戸ホーリーホックに期待すること」。
「もっと愛されるクラブにしたいですね。選手にもクラブのためにと思ってもらえるような魅力あるクラブにしたいです。そしてサポーターやホームタウンの皆さんにもっと応援してもらいたいです。そういう魅力づくりを皆さんとしていきたいですね。僕は地元ですし、茨城や水戸が大好き。俺達の街にはサッカークラブがあるんだと思ってもらえるように、いいニュースを街にもっと流していきたいです」と熱を込めます。
今後の役割については、「サッカー面では若手に教えたいですし、トップチームは来年も若い選手がたくさん入ってきて心配なので、現場も見ていきたいです。大工町(水戸の歓楽街)だけじゃなく、地域の皆さんに挨拶にいきたいですね(笑)」と語ります。
ホームタウン15市町村の小学校 全163校、特別支援学校全12校の計175施設に、プロジェクト特製のサッカーボールを寄贈する「GIVE BACK FROM KOJI -ホームタウンへの恩返しプロジェクト-」にも触れ、「サッカーの普及活動にも携わっていきたいです。サッカーに育てられたので、恩返しを死ぬまでやっていきたいと思います」と協力を呼びかけました。

【写真 米村優子】
参加者から事前に寄せられた質問に答える質疑応答のコーナーでは、「1ヶ月休みがあったら何をしたい?」には「旅行」と回答。
「可愛い娘さんの結婚相手に、この選手なら許す!と思う選手はいますか?」というユニークな質問に対して、しばらく悩んだ末に「次女が(碇)明日麻のことが好きなんだよね。人間的にも魅力あるし、割と見る目あるなと思いますね。明日麻のお母さんと俺は同い年らしいし」と話します。
細川CRCが「じゃあ明日麻が息子になる可能性は?」と尋ねると、「それはないね!」ときっぱり否定し、父親の顔を覗かせる場面も。
「敵で嫌だった選手は?」については、香川真司選手、川崎フロンターレ時代のジュニーニョ選手、浦和レッズでともにプレーしたギド・ブッフバルト選手やウーベ・バイン選手、ベガルタ仙台のハモン・ロペス選手、鹿島アントラーズでデビューしたばかりの大迫勇也選手など、主にFWの選手を例に挙げ、「すごい選手がいる中でやっていましたね」と感慨深そうに語っていました。
ユニフォームやスパイク、ボールが当たる抽選会が開かれ、その後はサイン会や撮影会に快く応じた本間選手。
今季も熱烈に支援してくれたサポーターズクラブプレミアム会員との濃密な約1時間半のイベントは大盛況の中、幕を閉じました。

【写真 米村優子】