「現役引退する本間選手と親交のある櫻井さん親子がプロ人生最後のホーム戦前に激励」【HHレポート】※無料記事
本間幸司選手の病棟慰問に勇気づけられ、それを機に参加した東京五輪の聖火リレーを通じて親交を深めた常陸太田市在住の櫻井さん親子が10月30日、プロ人生最後のホーム戦に挑む水戸のレジェンドを城里町小勝のアツマーレで激励しました。
本間選手と櫻井由子さん、息子の淳さんの出会いは遡ること2015年。
当時、幼稚園児だった淳さんは難治性小児がん神経芽腫のステージ4と診断され、茨城県立こども病院で治療中でした。
大病と闘う中、病院を慰問した本間選手と交流した櫻井さん親子は、地元のヒーローがかけた励ましの言葉や笑顔に勇気づけられました。
やがて、病魔に打ち勝った淳さんが、新たに始めたのはサッカー。それは本間選手の影響でした。
そんな息子の姿を通じて、スポーツの力を実感した由子さんは、2021年の東京オリンピックの聖火ランナーとしてリレーに参加することに。
そのことが紹介されたテレビ番組を自宅で偶然見ていた本間選手は、聖火リレー会場にサプライズ訪問し、櫻井さん親子と6年振りの再会を果たしたのです。
それから本間選手と親交を深めた櫻井さん親子。
淳さんのサッカーの悩みにいつも親身になって寄り添い、背中を目一杯に押してくれる本間選手は、「友達以上、家族未満のなくてはならない大きな存在」(由子さん)です。
それゆえ現役引退の一報に家族全員が大きなショックを受け、レジェンドの過去の写真やプレー動画を観ながら、家族が歩んだ10年の日々を重ねて、深い寂しさと多大な感謝が入り混じった複雑な心境で過ごしていると言います。
「たとえ連絡を取り合っていない時でも、頑張っている姿を見るだけで、家族全員が前向きになれましたし、試合に出ていなくとも、ピッチ上でずっと声をかけているだけでも存在感がありました。プロ選手ならば引退は誰しも必ず迎える瞬間だと思いますが、正直、本間選手に限っては、ずっとずっと水戸のゴールマウスを守ってくれるものだと勝手に思っていて…。練習も試合も1個1個がカウントダウンしている状態で、すごく寂しいです。悔いは残るだろうし、やり残したことも絶対にあると思います。それでも笑顔で送り出したいと思っています」と由子さん。
現在、高校1年生になった淳さんは、今年から茨城県立の中学校や高校でスタートした体験活動推進日「ラーケーション」を活用して、平日の公開練習を見学。
トレーニングを終えた本間選手と笑顔で握手を交わした淳さんは「引退するなんて、まだ実感が沸かないです。体力があるから、あと5年はプロでいけると思います」と話します。
山形戦で目に焼き付けたいのは、本間選手の代名詞でもある強靭なフィジカルを活かした躍動感あふれるセービング。
「シュートを全部止める姿を見たいです」と期待を寄せています。
今回プレゼントしたのは、常陸秋そばの産地として有名な常陸太田市のそば焼酎。
ホーム最終戦で勝利した後、祝杯を挙げる際に飲んで欲しいそうです。
本間選手は「淳君は小さい頃にとても苦しい思いをしたけれども、今は克服して元気に過ごしていて、互いに刺激し合う関係。かわいい息子みたいな感覚です。櫻井さん親子は誕生日に本を贈ってくれたり、事あるごとに試合や練習にも来てくれて、すごく嬉しいです。山形戦は期待に応えなければいけないですね。頑張りたいと思います」と意気込みを語っていました。
9年分の感謝を込めて、ホーム最終戦は由子さんと娘さんはメイン側から、淳さんはバックスタンドでチャントを最後まで熱唱し、背番号1が刻まれた大きな背中を精一杯後押しする予定です。