「シニアサポーターが高齢者施設でチャントを熱唱!『オールドルーキー~先輩方と起こすムーブメント~』を実施」【HHレポート】※無料記事
9月16日の敬老の日付近となるホーム岡山戦に向けて、クラブが独自で実施しているシニア向け企画「オールドルーキー~先輩方と起こすムーブメント~」が14日、水戸市河和田町の介護老人保健施設くるみ館で実施されました。
約40人の利用者や職員らが手拍子や太鼓、チャントでチームを鼓舞しながら、ホーム愛媛戦のパブリックビューイングを通じて、サッカー観戦や応援を楽しみました。
これは、Jリーグとサントリーウエルネス株式会社が協働して実施している高齢者向け企画「Be supporters!“人生の先輩からのエール”」の一環。
高齢者施設の利用者は、普段「支えられる」場面の多いですが、地元サッカークラブのサポーターになることでクラブや地域を「支える」存在となります。
水戸ホーリーホックは、そんなWin-Winの関係を目指す取り組みに昨年から参加。
選手やスタッフが日立市内にある高齢者施設の利用者と交流したほか、フットゴルフや大旗振り体験、応援うちわづくり、ホームゲームで利用者の応援メッセージを記した横断幕の掲出などを実施しました。
今回は昨年の企画にも参加した茨城大学水戸ホーリーホック応援ネットワーク特別顧問の藤縄明彦名誉教授が、シニア世代のルーキーとして日立市の特別養護老人ホーム金沢弁天園、常陸太田市の藤井ハイム常陸太田、水戸市のデイサービスセンターコープ菜の花、くるみ館の4カ所を訪問しました。
施設への訪問は各所2回ずつ行われ、初回は藤縄さんがサポーターになった経緯を利用者に紹介し、水戸のチャントをレクチャー。
そして、2回目は練習したチャントを合唱して応援するパブリックビューイングをともに楽しみ、サッカー観戦や応援の面白さを伝えました。
2回目の訪問となったくるみ館では、利用者や職員が応援グッズ、ユニフォームやTシャツで気分を高める中、チャントの復習からスタート。
藤縄さんがコールリーダー役を務め、「水戸アレ」「ロストック」「ロンバルディア」で士気高揚したところで、いざゲームの観戦が始まりました。
手拍子や太鼓を叩き、「行けッ!」「惜しい!」「攻撃的だ!」と各々手に汗握りながら叫び、スタジアム観戦しているかのような熱量で応援します。
開始6分の失点後は「水戸アレ」でチームを鼓舞すると、大崎航詩選手による待望の得点場面では、「水戸を愛する俺らの声が聞こえているだろう~♪」とロンバルディアを熱唱して大盛り上がり。
久保征一郎選手のヘッドでの追加点シーンでは、「セイ!セイ!セイイチロウ!」と全員で叫んだ後、職員の中にセイイチさんがいた事から「セイ!セイ!セイイチ!」コールも沸き起こって、会場はお祭り騒ぎに。
パブリックビューイングは前半のみの開催でしたが、職員が独自のチャントを歌ったり、「ホーリーホック頑張れー!」とあちこちから声援が飛び交い、大盛況の中で幕を閉じました。
「私の出る幕がないぐらいの応援レベルで、熱量がすごかったですね。こちらの方が楽しませてもらいました」と満足気な笑顔を見せていた藤縄さん。
今回のシニア企画について、「人はいくつになってもワクワクドキドキしたり、パッションを吐き出す環境があれば元気で若くいられる。先輩方の姿を通じて、私自身、高齢者のポテンシャルの高さを改めて知ることができました。この歳になるまでサッカー観戦に興味がなかったけれど、『これをきっかけに行ってみようかな』『応援したら楽しいかも』というシニアが増えるのは、クラブにとってすごく重要なこと。いい経験や感性を持っておられる方々がたくさんいるので、65歳以上対象のお得なチケットも活用しながらソフトな層のサポーターを増やしていけば、クラブとしてもメリットが大きいと思いますよ」と総括していました。
くるみ館施設長の和賀育子さんは、水戸ホーリーホックの応援を通じて、利用者の身体と心の両方のリハビリに役立てようとしています。
「年齢を重ねると孫も成人し、なかなか日常的に誰かを応援する機会がなくなります。応援は全身から声が出るし、その疲れも感じさせない。とてもよい心のリハビリにもなります。水戸ホーリーホックは地元のクラブなので皆さん愛着があり、青を見たりすると『ホーリーホックだね』という会話も日常的になっています。そんなクラブを応援することで、ご家族との交流がさらに生まれたらいいですし、今回覚えたチャントをリハビリ体操に活用したいと思いました。ホーリーホックを応援するためにやれば、ただ体操をやるよりも自然体で出来るんじゃないかと思っています」と語っていました。
今回の企画に参加した職員や利用者の一部は、22日のホーム岡山戦に来場し、実際のスタジアム観戦や応援を満喫する予定です。
予習万全のチャントを大声で披露し、チームの後押しをしてくれることでしょう!