デイリーホーリーホック

「ジュニアユースが『アカデミーアシスト』で実施したスペイン遠征を終え、茨城いすゞ自動車に報告」【HHレポート】※無料記事

※(写真左から)茨城いすゞの猪野雅喜執行役員会長室室長、豊﨑悟副社長、関和人選手、豊田理月副キャプテン、飯田優二監督、ピョンテフィGKコーチ
(写真 米村優子)

水戸ホーリーホックのジュニアユースは3月25日~4月2日の9日間、パートナー企業が下部組織の運営費や遠征費の使用目的を指定して支援する「アカデミーアシスト」を活用し、スペイン遠征を実施。
飯田優二監督、ピョンテフィGKコーチ、U-15の豊田理月副キャプテン、関和人選手が5月30日、支援先の水戸市五軒町の茨城いすゞ自動車本社を訪問し、遠征の成果について報告会を行いました。

【写真 米村優子】

昨年からスタートした「アカデミーアシスト」は、パートナー企業が下部組織への支援金の用途を指定できるプラン。
これまで地元企業9社が協賛し、水戸から世界に羽ばたく選手を輩出しようと地元の選手達を応援し続けています。
今回ジュニアユースの海外遠征をサポートした茨城いすゞ自動車代表取締役副社長の豊﨑悟さんは、2022年に開催されたカタールW杯がきっかけだったと語ります。
「日本代表がベスト8に行けなかったのが非常に悔しく、日本が優勝する光景を見たくなりました。今や海外でプレーする選手が当たり前となり、世界で戦う自信を持ち、対応できる強度や慣れもあります。私自身も仕事を通じて思うところですが、若い時から日本と海外との違いを知っておいた方が良いと感じています。この支援によって、茨城からW杯に出場する選手が誕生し、何年後かのいい思い出になるかもしれません。そうなったら地元として誇りになりますし、楽しくなるだろうと思いました」と理由を明かします。

【写真 米村優子】

この遠征の最大の目的は、2005年からスペイン・アストゥリアス州で毎年開催されている育成年代の国際大会「OVIED CUP」への出場です。
今年はスペイン1部所属のアトレチコ・マドリードやレアル・ソシエダなどプロクラブアカデミーを中心に出場し、A~Hの8グループ内の5チームが予選リーグを戦い、順位決定トーナメントに進むレギュレーションで行われました。
ジュニアユースは大会で結果を残すことだけでなく、遠征の中で「世界トップレベルのチームや選手を体感する」「世界の中で自分を知り、自身の強みや課題を明確にし、目標に向かって成長する機会にする」「スペインの文化、習慣、生活を学び感じることにより、人間的にも成長する機会とする」という3点も目標としながら、選手18人で挑みました。

【写真提供 水戸ホーリーホック】

グループリーグ予選では、Juventud Estadio CFとの初戦を6-0で圧勝すると、続くFPA・Bチームの対戦は3-0、MACET FOOTBALL戦も2-0で3試合連続完封勝利し、早々に決勝トーナメントに進出を決めます。
そしてグループリーグ最終戦は、日本代表の久保建英選手が所属するレアル・ソシエダの下部組織と対戦。
立ち上がりから相手のスピードに圧倒され、前半は2失点しましたが、後半はチームとして連動し、タイミング良くボールを奪取して1点を返します。しかしその後に1点を追加され、1-3で敗戦となりました。

【写真提供 水戸ホーリーホック】

そして、勝利しないと次の試合に進むことができない大事な決勝トーナメントは、スペイン2部所属のスポルティング・デ・ヒホンのアカデミーと対戦。
開始早々、負傷交代のアクシデントがある中で、体格差がある相手に対して前半はゼロで抑えましたが、後半序盤にセットプレーで失点し、終了間際の前掛かりになった隙を突かれて0-2で敗戦となりました。
関選手は「スペインのチームは、一人は来るけれども連動したプレスはあまりして来なかったです。意外と交わしてつなげることが出来ました」と大会を通じて一定の手応えを掴み、豊田選手は「日本のチームは一回相手から奪ったボールを大切につなぐ気持ちがあると思うんですが、僕の感覚だとスペインはそうではなかった印象でした」と振り返りました。

【写真提供 水戸ホーリーホック】

選手達は「OVIED CUP」の決勝トーナメントの観戦のほか、地元クラブとのトレーニングマッチ、アトレチコ・マドリードやスポルティング・デ・ヒホンのスタジアム見学、マドリードやオビエド、ヒホンの市街散策も実施。
中でも選手らが「最も印象に残った」と興奮気味だったのは、スペイン代表対ブラジル代表の国際親善試合の観戦です。
特にこの試合は、ユーロ2024で史上最年少出場して話題になったスペイン代表のFWラミン・ヤマル選手(16歳)、ブラジル代表史上4番目の若さで出場を果たした注目のFWエンドリッキ選手(17歳)という年齢が近い選手の活躍もあり、終始釘付けになったと話します。
関選手は「3年後に自分がプロになったとしたら、ここまで行けるのかなというぐらいハイレベルな戦いをしていました。ヤマル選手は圧倒的にドリブルが上手くて、エンドリッキ選手はドリブルもそうですが、スピードが違うなと思いました」、ボランチの豊田選手は「両チームの攻守どちらもハイレベル。特に同じポジションのスペイン代表ロドリ選手の立ち位置や判断を見習いたいと思いました」と刺激を受けた様子でした。

【写真 米村優子】

移動の疲れや時差ボケの中で上手くコンディションを調整し、文化や習慣が違う海外でプレーすることの難しさなど、さまざまな経験を積み上げたジュニアユース。
約1時間の報告会にじっくり耳を傾けていた茨城いすゞ自動車執行役員会長室室長の猪野雅喜さんは「今回、小学生でも高校生でもなく中学生に支援したかったのは、その年代で世界を経験できることがいいと思ったからです。選手の話を聞いて、非常に濃密な遠征だったと感じました。本当に色々な気付きのあるいい経験ができたのだと嬉しく思います。この経験を糧にこれからも頑張って欲しいと思います」とエールを送ります。

【写真 米村優子】

関選手は「せっかくスペインまで行かせてもらって、自分の得意なドリブルをしないでパスばかりして良いプレーも悪いプレーもないまま終わるのは嫌でした。ボールを取られても積極的に仕掛けていく気持ちで臨みました。遠征後の一番の変化は食生活。最初のホテルでものすごい量の食事が出てきて、このぐらいの量を余裕で食べるからスペインの同世代はフィジカルが大きい理由なのかなと思い、たくさん食べることを意識しています。クラブユースの関東大会を勝ち抜き、全国に行けるように、スペインで感じたことを忘れないよう気合を入れて練習したいと思います」と意気込みます。

【写真 米村優子】

豊田選手は「スペイン遠征は皆さんのお陰で行けたので、無駄にしたくはなかったです。ミスをしてもいいから自信を持って逃げずに自分のプレーをしたいと思いました。自分もスペインの選手とのフィジカル差を感じました。野菜が苦手なのですが、身体づくりのためにも、ご飯の量も増やしながら頑張って食べようと思います。今後は、関東大会に勝つため、気持ちを入れて臨めたらいいなと思います」とたゆまぬ挑戦への決意を述べていました。

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