「春名竜聖選手が水戸市の五軒小学校で特別授業『五軒ハートフルMake Future Project』。夢と希望を持つことや感謝の大切さを伝える」【HHレポート】※無料記事
高卒ルーキーのGK・春名竜聖選手が講師を務めた特別授業「五軒ハートフルMake Future Project」が9月11日、水戸市金町の五軒小学校で行われ、小学6年生44名とその保護者に向けて夢と希望を持つことや感謝の大切さを伝えました。
五軒小では将来の夢や希望を育む親子授業「五軒ハートフル」が毎年、学年ごとに年1回実施されています。
今年は創立150周年を迎えた節目の年。より充実した内容の授業にするため、水戸ホーリーホックの子ども向けに実施している社会連携事業「Make Future Project」と協働して実施されています。
児童や保護者らが作った花道で歓迎された春名選手は、まず生まれた年、身長、出身地、好きな給食当てクイズを出題して交流を図ると、ゴールキーパーの基本プレーであるスローやパントキックを披露。春名選手曰く「2、3割の力」で体育館の向かい側にある天井付近の壁まで軽々とボールを打ち付け、プロの技を見せつけます。
全員で春名選手のプレー動画集を視聴した後、質疑応答のコーナーへ。
「なぜGKをやろうと思ったのですか?」「リフティングは何回できますか?」などサッカーに関する疑問が寄せられ、「GKの醍醐味は?」の質問には「ボールを止めた時」と笑顔で答えていました。
次に実施されたのは、親子で運動をするファニーゲーム。
ボールが浮かんでいる間は移動できる「だるまさんがころんだ」では、中央で親子が手をつないだらゴールというルールで、児童、保護者がそれぞれ体育館の両端からスタート。
途中に混じるフェイクのボールトスに惑わされないように、慎重に、ときに大胆に走って、ゲームを楽しんでいました。
その後は、春名選手がサッカー人生の過去、現在、未来を語りました。
5個上の兄の影響で物心ついた頃からボールを蹴り始め、小学生時代はやんちゃ坊主。
小学6年生の時にヴィッセル神戸の試合を生観戦し、サッカー選手になる夢を持ったと話していました。
スカウトによってセレッソ大阪の下部組織に入団。持ち前の負けん気の強さを発揮して、レベルの高いチームで頭角を現していったとのこと。
中学時代から絶えず年代別日本代表選手として活躍していましたが、セレッソのコーチから「代表に入ってもプロになれるとは限らない。調子に乗ってはいけない」とアドバイスされ、常に謙虚に、現状に満足せずに努力を続けたそうです。
そして、プロとなった今、春名選手が大切にしているのが、両親や周囲の人々への感謝。
中学時代は自宅から車で約30分の駅まで毎日送迎し、仕事終わりに公園で練習に付き合ってくれた両親に対しては、「サッカーをする上で一番支えてもらいました。試合に出場することや活躍すること、そして僕自身の夢を叶えることが一番の恩返し。日本代表としてW杯に出場し、日本の歴史を変えたいと思います」と語ると、児童や保護者らから拍手で応援されていました。
再び質疑応答の時間が設けられると、サッカー以外の得意なスポーツは野球、「プロ生活中は水戸ホーリーホックにずっといたいですか?」という問いには、「J1でプレーすることが当面の目標。水戸ホーリーホックと一緒にJ1に行けたら嬉しいです」と回答していました。
また、ピッチに入る時、ゴールに向かってお辞儀をして心を落ち着かせるルーティンがあること、上手くプレーできなかった場合のメンタルの整え方、海外でプレーするために英語を勉強していることなどを明かしていました。
授業を終えると、給食を児童と一緒に味わった春名選手。
茨城県産生乳を100%使用した「水戸ホーリーホック牛乳」を飲み、自身の小学校の給食と似た味のカレーやナンに懐かしさを感じながら完食。
給食中も質問が次々と寄せられ、「子どもの頃に憧れた選手は?」に対して、「ドイツ代表のノイアー選手」と答え、チーム内で仲良しな選手は永長鷹虎選手、幼い頃の夢は警察官だったと回答していました。
授業に参加した保護者の一人、竹本浩さんは「良いテーマの授業でした。春名選手の両親への感謝の気持ちにほっこりしました。息子にもその気持ちが伝わって欲しいなと思いました」と語っていました。
息子の誉志さんは「感謝の気持ちが大事だということを学びました。両親に通学の送迎してもらっているので感謝したいです。将来は恐竜博士になりたいのですが、夢を叶えるための希望をもらいました」と話していました。
春名選手は「自分自身、感謝をテーマにプレーしています。感謝の部分は子どもたちに一番伝えたかったこと。そして自分の夢を明かすことで、言ったからにはやるしかないと自分自身に対してプレッシャーもかけられました。普段から応援されている自覚を持っていますが、今回の授業でその応援をより身近に感じられました。みんなの顔を大体覚えたので、スタジアムに来てくれると嬉しいなと思っています」と意欲を高めていました。
感謝の気持ちを常に持ち、夢や希望を抱いて未来を掴む。
児童たちは春名選手のサッカー人生を通じて、そんな生きる力を学び、育んでいくことでしょう。