デイリーホーリーホック

新里涼選手インタビュー①「自分の調子や自分がいる・いないときのチームの状況がリンクしていた。自分自身の存在がチームに大きく影響していたと実感」【インタビュー】※無料記事

【写真 米村優子】

今季、キャプテンとしてチームを引っ張った新里涼。
不調やけがなどに苦しむ時期がありながらも、
常に前を向いて、乗り越えてきた。
様々な経験をしたシーズンを
「個人として」「キャプテンとして」「チームとして」
3つの視点で振り返ってもらった。
(全3回)

○個人としての振り返り

Q.今年29試合、1,837分出場。プロ5年間の中で去年に次いで2番目に多い出場数と出場時間でした。そして、キャリアハイの4得点を挙げました。
「水戸での2年目のシーズンだったので、昨季経験して感じた良かった部分と悪かった部分を今年に活かしたいっていう思いがありました。その中でキャプテンに就任して、個人のところより、チームの方にフォーカスしてしまって、なかなか自分自身の調子が上がらないスタートだったと思っています。その中でいろんな人に支えていただき、第17節岩手戦から4試合で3ゴールを取れて、自分の中で復調できました。シーズン中に改善できたことはよかったですし、チームとしても、その勢いを持って、最初は最下位にいたところから、プレーオフ進出まであと一歩のところまで持っていけたことはよかったと思っています。でも、個人的にはもっと試合に出たかったですね。けがもあったので、そういうのも含めて、またいろんな意味で充実したシーズンだったなと思っています」

Q.やはり岩手戦のスーパーゴールが大きかったのですね。
「その前の東京V戦にスタメン出場して、本当にハードワークしました。個人的な結果は出ていないですが、90分間やりきったってところから流れが来ていたんじゃないかなと思っています」

Q.今年はボランチと攻撃的MFとして両方のポジションでプレーしました。
「元々2列目でずっと育ってきているので、久しぶりにそのポジションでプレーして、自分の良さをさらに出せましたし、プロとしてキャリアを積んでいく上で、また一つ引き出しが増えたなと思っています。ボランチでやっていたことが2列目で活きたので、それもまたポジティブなポイントかなと思います」

Q.両方のポジションを担ったことで、相乗効果があったのですね。
「ボランチの時はサイドハーフにやって欲しい動きがわかりますし、それはサイドハーフの時に活かすようにしています。サイドハーフの時にボランチがこうしてくれればなと思ったことは、それを意識してやるようにしていました。そういうのはよくできていたなと思います」

【写真 水戸ホーリーホック】

Q.後期の岩手戦で負傷してしまい、チームとして大事な時期に離脱してしまいました。あらためて、その時の状況を教えて下さい。
「シーズンが終わってからいろんな方々に言われるのが、自分の調子や自分がいる・いないときのチームの状況がリンクしているということ。それは秋さん(秋葉忠宏監督)にも言われたんですけど、開幕4戦のときも自分自身の調子がそこまで良かったとは思いませんでしたし、そこからなかなか上を覗けなかったのは、自分自身に原因があると思っています。岩手戦でけがした後に最後決められて、そこから7戦勝ちなしだったときも、自分は本当に足を治すことでいっぱいいっぱいでした。そこでチームが勝てなくなったというのは、自分自身責任を感じています。けがから復帰してチームの練習に参加したときに、この雰囲気ではやっぱり勝てないなということを、正直感じました。最後の練習終わりのインタビューでも答えさせてもらいましたが、このままじゃやばいという危機感があったので、(本間)幸司さんとも話して、千葉戦の後の山形戦の週に、選手ミーティングを開こうという流れになりまいた。そういうことも含めて自分自身の存在がチームに大きく影響していたと実感しています。ポジティブに捉えれば、『俺がいなきゃいけない』と思うことも全然できるんですけど、ただそれがチームの調子が上がらなかった要因という風にも考えられる。そこは少し責任を感じなきゃいけないところかなと思っています」

Q.出場した中でのベストゲームは?
「ホームの岩手戦ですね。全得点に絡めましたし、チームとしてやられてもおかしくない場面があった中で、自分自身もチームに一体感を持たせられたかなと思います。そこを耐えしのいだからこその僕の得点だったと思います。3-0でしっかり完封できたことも含めて、今季のベストかなと思います」

Q.4ゴールを決めましたが、中でも印象深いのは?
「千葉戦のゴールだと思います。自分でもびっくりしましたし。山口一真の無回転ロングフリーキックがなかったら、月間ベストゴールかなと自分としては思っていました。そのぐらいイメージ通り綺麗に入ったと思っています」

Q.結構、千葉キラーですよね。
「そうですね。去年の1000ゴール目もフクアリでしたし、あそこのスタジアムの試合はイメージが良いです。大学時代からいろいろと思い出のある場所。大学時代の天皇杯の千葉県予選の決勝がフクアリで、そこで勝ったこともすごく覚えています。あとはフクアリで関東リーグをやった日の夜、入団予定だった長崎のJ1昇格が決まった。結構いいイメージがあそこにありますね」

※②に続く

(取材・構成 米村優子)

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