「水戸ホーリーホックの農事業『GRASS ROOTS FARM』の新展開。新鮮野菜のサブスクリプションサービスと『ホーリーにんにく』の販売を発表!」【HHレポート】※無料記事【一部記事修正】
7月27日、水戸市宮町のAREA310で水戸ホーリーホックが手掛ける農事業「GRASS ROOTS FARM(以下GRF)」が開始する新たなサービスについての記者会見が行われました。
まず、登壇した西村卓朗GMから、あらためて昨年9月に立ち上げたGRFの理念の説明がありました。
「地域に根差し、地域とあゆみ、地域に貢献し、地域に発展することがGRFの理念としてあります。4度『地域』という言葉が出てきますが、茨城県は農業経営体数で全国1位であり、農業産出額も全国1位です。レンコンや小松菜、水菜、レタスなど挙げたらキリがないほど出荷数日本一のものがあります。それだけ茨城県は農業県なのです。我々はこの地でサッカーをしてきましたが、もっと日常に根差したいという思いで、新たな事業としてGRFを立ち上げました。とはいえ、農業は地域課題でもあります。一次産業はどんどん高齢化が進んでいますし、後継ぎ問題や耕作放棄地の問題など様々な問題があります。我々が農業事業に参入することによって、そういう問題があることを多くの人に知ってもらったり、課題解決の取り組みをしたりできるんじゃないかと思い、昨年農業事業をイチから立ち上げさせていただくこととなりました」
事業立ち上げから約10か月が経ち、新たなサービス発表へと至ったのです。
そして今回発表されたのは、野菜のサブスクリプションサービス「GRF BOX」の販売とGRFで生産した「ホーリーにんにく」の販売についてでした。
「GRF BOX」は毎月定額で自宅に新鮮な野菜が届く定期配送サービス。このサービスの3つの特徴について、GRF推進事業部長の佐野元則さんから以下の説明がありました。
まず1点は「毎月おいしい野菜が自宅に届く」
「こだわりを持った提携農家さんが作った、7~10種類(2~4人分)の野菜がご自宅に届きます。さらにその野菜を使った料理のレシピも一緒に入っています」
2点目は「プロサッカー選手も食べている」
「90分間広いグラウンドを走り回るプロサッカー選手の強靭な身体を作るのは、口から摂取をしたものだけ。そんな食事に気を遣うプロサッカー選手の昼食に同じ野菜を使用しています」
3点目は「水戸ホーリーホックを感じられる」
「GRF BOX初回購入の方には、非売品のポストカード用アルバムが入っています。さらに、毎月違う選手のポストカードが野菜と一緒に送られてくるので、オリジナルアルバムを作ることができる」
価格は毎月3480円(税込・配送料別)。
8月8日に開設される特設専用HPで申し込みがスタートします。(※8月5日を予定していましたが、8月8日に延期となりました)
次に「ホーリーにんにく」の販売についての説明へ。
GRF立ち上げととも栽培をはじめたにんにく。先月収穫が行われ、そして、ついに販売することができるようになったのです。
「トップチームの選手とスタッフ、アカデミーやフロントのスタッフ、ファンやサポーターの方々、地域の方々、水戸ホーリーホックに関わる全ての方の協力によって、販売までたどり着くことができました。関わってくださったみなさんの思いが詰まっています」
GRFにとって、初の生産物であり、これまで多くの人の協力を得ながら、試行錯誤を繰り返して収穫にたどり着いただけに、佐野さんは感慨深い表情でそう口にしました。
加えて、「ホーリーにんにく」は乳酸菌もみがらはがし農法という化学肥料や農薬を一切使用しない方法で栽培を行ったことも強調していました。安心安全な食材として、自信を持ってみなさんに提供できるということです。
「ホーリーにんにく」は200g1000円(税込)で、7月30日大宮戦からGRFブースで販売がスタートします。水戸に関わる多くの人が手塩にかけて育てたにんにく、ぜひ水戸サポーターのみなさんに味わってもらいたいと思います!
以上2件の発表と説明が終わり、会見も終了かと思われましたが、もう一つ発表がありました。
「村田航一がGRF宣伝部長に就任する」ことがサプライズ的に明かされたのです。
それまでの会見中、村田選手が話す機会がほとんどなかっただけに「これで終わったら、何をしにきたのかと思われてしまう」と笑みを見せた村田選手。宣伝部長就任について、こう意気込みを語りました。
「役割は一つ。水戸の農事業であるGRFの取り組みや意図を多くの人に知ってもらうことだと思っています。農業の楽しさや大変さを水戸ホーリーホックを通じて、多くの人に知ってもらえるように取り組んでいきたい」。
実はGRF立ち上げの話を聞いた時から「興味があった」とのこと。
「僕は宮崎県出身なのですが、祖父が農業と林業をやっていて、幼少の頃からよく手伝いをしていたんです。すごく楽しかったですし、いろいろ学ぶことができました。なので、GRFが立ち上がってからもお手伝いをさせてもらいました。今回の大役について打診された際も『やらせてください』と即答しました。子供の頃から手伝ってたとはいえ、まだ浅い知識しかないので、これから学びながら、多くの人に届けていきたいと思っています」
GRFの今後の展開について、西村GMはこう語りました。
「今回の農事業は本当に一からのスタートでした。でも、体験してからこそ、見えるものがあるなと感じています。サッカークラブだからこそ、できることもあると思います。たとえば、有機栽培や自然栽培といった化学肥料を使わないことが環境問題にいかにつながるのかといったことをアカデミーの子供たちへの教育につなげていきたいと考えていますし、さらには農業と福祉の連係についても取り組んでいきたいと思っています。一歩踏み出したからこそ、課題やクラブとして取り組めることが見えてきています。すべては我々だけではできないと思うので、地域の企業や自治体、ファン・サポーターの方と一緒に作り上げていきたい。ですので、これからもGRFに注目していただければと思います」
確かな一歩を踏み出した農事業「GRF」。これからさらに広がりを見せていくこととなりそうです。