J2第30節栃木SC戦「『勝つため』に、あえて相手の土俵に上ってつかんだ勝利。北関東ダービー8連覇達成も終盤の戦いに課題も残した」【レビュー】
勝利への執念をプレーで体現
「勝つためだけにプレーしました」
試合後、岸田翔平が語ったこの言葉が今節のすべてだ。
前節東京V戦のレビューでも記したように、サッカーとは相手のいるスポーツであり、相手との相関関係で戦い方を変える場合もある。加えて、天候やピッチ状況など環境も大きく影響するスポーツでもある。それらに対して柔軟な戦いをしたチームが勝利に近づくこととなる。
今節は栃木の「土俵」の上でいかに戦うかがすべての一戦であった。ピッチ状態は悪く、まともにボールをコントロールできない状況。そのホームの利を生かすかのように、栃木は徹底的にキック&ラッシュを繰り返してくる。本来ならば、「ボールをもっとつないで、右左表裏前後といろんなことを織り交ぜながらサッカーをしたいし、そういうサッカーを追求しています」と長谷部茂利監督が言うように、これまで培った判断力を生かしたサッカーを繰り広げたいところだった。ただ、そうすると、相手のサッカーとピッチの餌食となってしまう可能性が高い。それだけに水戸も栃木と同じようにシンプルにロングボールを多用するサッカーで立ち向かった。「勝つため」に、自分たちのサッカーを封印し、あえて相手の「土俵」に上っていったのだ。
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