デイリーホーリーホック

【HHレポート】「170人のサポーターが茨大に来場!選手やコーチが今季の裏話や本音を語るトークイベント」(2017/12/26) ※無料記事

【写真 米村優子】

元選手の島田祐輝コーチが自身の経験やアカデミーの現状を語る

12月17日、オフシーズン恒例となった茨城大学図書館でのトークイベント「水戸ホーリーホックのフットボール・カフェ」が開かれました。
選手の意外な一面やスタッフの裏話が飛び出す同イベントは今回で4回目。サポーターへの認知度も年々高まり、今シーズン最後の選手参加イベントとあって、今年は立ち見客も出るほどの盛況ぶり。約2時間の催しに約170人のサポーターが参加しました。

※茨大ホーリーネット代表の高橋修図書館長
【写真 米村優子】

第一部「水戸ホーリーホックの『強化』と『育成』」で登場したのは、元水戸の選手で、現在はアカデミーのコーチを務める島田祐輝コーチ。
当初は島田コーチと同じく元水戸の選手で、水戸ホーリーホックEIKOジュニアの飯田優二監督も出席予定でしたが、この日は試合のため、残念ながら欠席。
茨城大学側からは茨城大学水戸ホーリーホック応援ネットワーク(通称茨大ホーリーネット)代表代行の藤縄明彦教授、百武慶文准教授、元クラブスタッフで今は社会連携センター連携渉外課主任の楢崎裕史さんの3人が出席しました。

【写真 米村優子】

茨大ホーリーネット代表の高橋修図書館長、沼田邦郎社長の挨拶の後、スタジアムDJで同大OBの寺田忍さんの司会進行でトークイベントがいざスタート!
まずは、今年から水戸に戻って来た島田コーチにアカデミーが実施している強化や育成の現状、プレーヤーから教える立場になった島田コーチ自身に関する質問へ。
「自分が当たり前にできたことを、言葉にして伝え、教えることの難しさを実感しています」と島田コーチが語ると、長年教壇に立つ藤縄教授は共感を覚えたようで、「『何でわからないの!?』ってことが、ちゃんと伝わった時の喜びは大きい。いい気付きを得ていますね」と大きく頷きながらコメント。
ラインメール青森FC、VONDS市原FCと地域リーグでのプレー経験もある島田コーチは、「クラブによって環境の違いはありましたか?」の問いに、「VONDSは水戸よりもプレー環境は良かった。しかしクラブの知名度は水戸の方が高かったです」と答えていました。
続いて、ユースから2年連続でトップチームへ昇格していることについては、「僕が水戸にいた頃よりもユース、ジュニアユースが強くなっているし、プロを目指したい子が増えた。挨拶一つにしてもしっかりしていて、自主性を促す指導も功を奏しているのでは」とアカデミーの取り組みを評価。
コーチ2年目となる来年は「今年はいっぱいいっぱいでしたが、来年は子供達がもっとサッカーが好きになるように働きかけ、指導者として成長した姿を皆さんにお見せしたいです」と抱負を語りました。

※藤縄教授は島田コーチが現役の頃の自作フラッグを持参.
【写真 米村優子】

内田・前田・伊藤選手が軽妙なトークで会場を沸かせる

第二部「フットボールの青春-選手座談会-」では、内田航平選手、前田大然選手、伊藤涼太郎選手が登場。
藤縄教授がコールリーダーとなり、「ウィアー水戸!アレアレアレ!」と叫ぶと、サポーターも大合唱。選手達が寺田DJの選手紹介やチャントが鳴り響く中、後ろのドアから颯爽と入場すると、会場の空気が一気にヒートアップ!
大学側は茨大OBの白石達希さん、現役大学院生の作間亮哉さん、大学生の二宮美玖さん、海老沢聡美さん、森本真由さんがパネラーとなり、次々と今季の成績やプレー、チームメイトに関する質問が寄せられました(以下、敬称略)。

【写真 米村優子】

Q.2017シーズンで印象に残っている試合やゴールは?
内田:細川選手のゴールです(会場爆笑)。それを奪って僕がゴール出来たのが嬉しいです(笑)一応キャリアハイなので。
伊藤:3ヶ月しかいなかったですし、ゴールしていませんが、水戸でデビューした試合が印象的です。(サポーターが)温かくて、サッカーがしやすい環境でしたし、期待してくれているんだなと感じました。
前田:全部のゴールですね。サポーターと一緒に喜べたので。初スタメンの山口戦のゴールは印象深かったです。相手の足が遅かったんで(会場爆笑)。あそこは遅いと聞いていたので、一応そこを狙って入れておきました。相手が遅かったので、それに尽きます。

Q.今季、一番成長した点は?
内田:一年間通じて試合に出場できたこと。今まで出来ていなかったので、一年間ちゃんと仕事したなと。給料泥棒にならずに済みました(会場爆笑)
伊藤:途中からレンタルで来たのですが、浦和ではなかなか試合に出られずにいましたが、こっちに来て公式戦に出る大切さを教わった。今までは「何で試合に出られないんだろう」と悩んでいましたが、公式戦に出ることで「何であのプレーはいかんかったんやろうな」という悩みに変わった。そこは成長できた部分です。
前田:僕は髪の毛が伸びるのが速くなりました(会場爆笑)。一週間は一回に手入れしていました。でもシーズン終盤は「2日に一回は切ってるんちゃうかな?」と思うぐらいでした。こういう大事な日の前に切るのが自分の中でのルーティン。昨年松本で9試合しか出なくて、試合に出たいと思って水戸に来た。一年間通じて試合に出られたのが良かったと思います。正直、昨年はあまりサッカーが楽しいと思えなかった。でも今年は楽しくサッカーが出来たのが良かったですね。

Q.来年の目標は?
前田:試合に出てゴールを取り続けたいです。今年は決めた回数よりも外した回数の方が多い。そこをもっと減らせば、点を取れると思います。
伊藤:来年も多くの試合に出て、多くのゴールを取りたい。2020年には東京オリンピックがあるので、そこに向けた勝負の年。いい準備をして来年を迎えたい。オリンピックへの意識が大きいです。
内田:一年間ケガをしないように頑張ること。それがサッカー選手として一番大事。ケガしたらいい選手でも試合に出られないですし、サッカー選手として気をつけなればいけない所。結構同じところを何度もケガをしたりしていたので、自分も辛いし、チームにも迷惑をかける。ケガをしないことが一番大事なのかなと思います。体重を増やさないように気をつけています。(寺田:デイリーホーリーホックで内田選手がすごく食べるとの情報がありましたね)食べますね~(笑)シーズン中はいいんですが、今は減らないです(笑)

Q.サッカー選手になろうと思ったきっかけや本気で目指した時期とは?
内田:高校時代、サッカーにあまり自信がなくて大学進学しようとしていたのですが、沼田社長や森直樹コーチ、当時GMだった萩原武久さんが来てくれた。そしたら森さんが「入れよ」って感じでグラウンドに来ていたんですが、その時、森さんはスーツを着ていて「お前、このスーツ貰えるんだぞ!全部、支給だぞ!」って(会場爆笑)。今考えると森さんらしいですが…(笑)幼稚園や小学生の頃はサッカー選手になりたいと思っていましたが、やっていく内に「なれないな」と思い始めた。進学のためにサッカーをやっていた感じです。頭悪かったので。サッカーで高校、大学にいかなきゃダメだなと思って。高校3年間もサッカーを頑張って、大学でもやっていくしかないなと。大学からもスカウトが来ていたんですが、哲さん(柱谷哲二元監督)からも誘われて、プロへチャレンジしてみてもいいのかなと思いました。
伊藤:幼稚園の頃、色んな遊びがある中でボールを蹴っていたと母が言っていた。小さい頃からボールを蹴るのが好きだったみたいです。それで始めました。小さい時からサッカー選手になりたかった。地元大阪なんですが、セレッソの試合をよく見ていた。いつかこの場所に立ちたいと思っていました。今、プロになれたのは良かったですし、親に感謝しています。中学校の時にセレッソの下部組織にいて、ユースに上がれなかった。それが悔しくて、この借りを返したいと思って、高校で活躍してプロになろうと思いました。高校は岡山県の作陽高校に行ったのですが、全国大会は一回しか出ていない。でも全国に行って活躍できたのは嬉しかったです。僕をプロにならせてくれた高校なのですごく感謝しています。
前田:僕は小さい時、体操をしていて、それでオリンピックに出ようと思っていた。けれども体が固くて、それで断念してサッカーにいきました。結構やんちゃ坊主で、実は高校2年の時に学校でサッカーをしていないんです。一年間、サッカー部には所属していなくて、社会人チームでサッカーをしていた。それで自分の悪い所がわかって、このままじゃアカンと思った。ホンマに親にも色んな人にも迷惑をかけた。これはプロになって恩返ししなければならないと思ったのがきっかけです。中学の時もやんちゃだったので、サッカーをしばらく出来ていなかった。親元から一回離れて、自分の成長した所を見せたいという思いで山梨に行ったというのもあります。僕は5人兄弟なので、一人いなくなってもいいんじゃないかなと(笑)。僕らがやりたいことをやらせてくれる親です。

Q.もしサッカー選手じゃなかったら何になっていたか?
前田:大学生です(会場爆笑)
伊藤:難しい質問や。何やろ。大学生になっていたか、普通にどこかで働いていたか。面白いこと言えないですが。サッカーを趣味にしながら、仕事しているのでは。サッカー選手になれると自信があったので、それ以外のことは考えていなかったです。
内田:僕は家柄だと公務員になっていたかな。オヤジも兄貴も公務員なので。安定して給料貰えるし、クビもないし(会場爆笑)。体育の教師でもいいし、役場の職員とか。

Q.サポーターからのプレゼントや交流で印象に残っているものは?
内田:マロンの大塚巌さんに点を取ったらお肉をご馳走になったり、水戸しかわからないですが、色んな交流の中でごはんを食べさせて貰うことが多い。すごいなと思います。そんなのって、なかなかないじゃないですか。柏寿司もよく食べさせてもらっています。
伊藤:非常に水戸は温かいチーム。サポーターの方々によくごはんも連れて行って貰いましたし、水戸が連勝して柏寿司でみんなご馳走になったりということもありました。練習終わった後にサポーターから飲み物やお菓子を貰ったりしましたが、僕はそういうのを結構食べるタイプ。どんどんくれたら食べるんで、宜しくお願いします(会場爆笑)。サポーターとの距離が浦和よりも近いですね。
前田:貰ったものは全て宝物。松本も結構サポーターと選手の距離が近いのですが、それを上回るのが水戸です。そこは誇らしい所。でも水戸は近すぎるかな?(会場爆笑)。

Q.選手はビデオ判定ってどう思っているのですか?
内田:どっちでもいいです。別にそれがあるからやり辛いという訳ではない。それがあることでハッキリするならばいいかなと思いますし。どっちもどっちかな。ホームの岡山戦の時のように自分達がいいようになったり、逆にPKで点を取られたりする場合もある。試合中は結構どのシーンもギリギリのラインだと思います。ゴールの所は結果に出るので嫌ですが。ジャッジが遅くなって、体が冷えなければいいかなと思います。ジャッジに対しては何も思わないですね。岡山戦のゴールに対して相手チームが意見していたのにも。ゴールとなった判断を覆すレフェリーなんてなかなかいないですから。岡山の選手達はどうにかしようとしていましたけれども。ビデオ判定となってワンプレーワンプレー止められるのは、ちょっと。Jリーグでもスピーディーな試合展開ということを言っているので、ビデオ判定を導入したらそれが実現しなくなるのでは?と思いますけれども。

Q.ホーリーホックの選手の中で意外な一面がある人は?
内田:(林)陵平君。実は結構カワイイです(会場爆笑)。サポーターはしっかりしている印象だと思いますが。(本間)幸司さんは結構、かまってちゃん(会場爆笑)。シーズン半ばぐらいから、カズ君(佐藤和弘選手)とよくイジっていました。すごい嬉しそうでした(笑)。新里亮がいる頃から、「幸司さんはイジって欲しいらしい」というのは聞いていて、飲み会行った時も「若手からももっと来て欲しい」と言われていた。それからグイグイ行っていた。LINE来ますもん!6年間もいるのに一度も来たことなかったのに。最近は「何してんの?」って(会場爆笑)。カワイイです(笑)
伊藤:横にいる前田選手と私生活でも一緒にいました。第一印象はしっかりしていると思ったのに、結構天然さがあって。最近、エスカレートしすぎて、おじいちゃんみたいになってる(会場爆笑)。そこを松本に行ったら直して欲しい。話していても噛んだり、声が裏返る回数が多い。同じこと2回行ったり。「明日の練習2時からだっけ?」と何度も確認したり。よくあります。水戸に来てからずっと一緒にいたので、松本に行くのは寂しいですが、同年代の選手だし、頑張って欲しいです。お互いに切磋琢磨して頑張りたいです。大然と同じ大阪出身ですが、水戸に来るまで一度も喋ったことなったです。高校の時に名前は知っていたぐらい。
前田:涼太郎の意外な一面はありすぎて、言ったらアカンかなと(会場爆笑)。涼太郎との思い出はごはんとかしかないんですが、一時期めちゃめちゃ面白かったことがあって。全然面白くないのに、互いに喋ったら笑っちゃうんです。よくわからんサイクルに入ってしまって、一度だけ。そういう話です(会場爆笑)。一緒にいて楽しいです。関西人では齊藤隆成君が面白いですね。関西で鍛え上げられた感じ。(浜崎)拓磨君は面白いというよりも優しい。面白さは隆盛君がダントツ。喋れば、面白い。

Q.影響を受けた選手や指導者は?
前田:高校の時の監督。今は新潟シンガポールの監督をしているのですが、すごく感謝しています。サッカーをやっていない時に色々と感じられたので。あの人がいなかったらプロになれていない。それぐらい影響力があった人です。僕は目標としている選手はいないです。
伊藤:高校の時の監督。一人の人間として、サッカー選手としての立ち振舞、発言だったり。オフザピッチの所を色々学びました。その人がいなかったらプロになれていないですし、色んな人の前で話すことも出来なかった。サッカー以外の所でもお世話になった。ピッチ外でも一個一個、気を使えと言われていました。「人は見た目が90%」とよく言われていましたが、本当にその通りだと思う。パッと見た時にどれだけ周囲の人に印象を与えられるかだと思います。ネイマール選手のプレー集を試合前によく見たりしています。見ていて面白いですし。サポーターの人達にお金払ってでも、自分のプレーをもう一回みたいなと思われるような選手になりたいと思います。
内田:幼稚園からサッカーをやっていて、教わった人全員に影響を受けました。この人っていうのはなく、全員。サッカー面だけでなく、生活面も。いろんなことを教えてもらったので、今もサッカーをしていられるのかなと思います。僕はサッカーを見てなかったんですよ。プロに入ってからJリーグの試合を見るようになったけれども。水戸に入ることになって、親に「日本代表のキャプテンだった柱谷哲二監督だよ!」と言われて、「へぇー、誰?」ってなったぐらい(会場爆笑)。知らなかったんですよ。サッカー選手に関して無知でした。だから影響を受けた選手はいないですね。

Q.退任される西ヶ谷隆之監督へ一言ありますか?
内田:僕は5年お世話になった人。ガヤさんになってから試合に出させて貰いましたし、本当に有難うございました。
伊藤:水戸に来て、色んなチャンスを与えていただいた。攻撃面だけでなく、守備面も教わった。短い間でしたが、本当に感謝しています。
前田:試合に出させて貰ったので、めちゃめちゃ感謝しています。来年、どこに行くのか気になっています。

Q.何で水戸に来たのですか?
前田:試合に出られるチャンスがあると聞いたので来ました。
伊藤:僕も試合に出たかったのと、47都道府県の中で一番魅力があるからです(会場拍手)
内田:スーツが貰えるからです!(会場爆笑)

Q.期限付き移籍されている二人へ。元のチームと対戦する時の気持ちは?
伊藤:浦和を倒したいと素直に思うと思います。
前田:僕は来年、松本ですが、水戸から点を取って倒したいと思います。

最後は集合写真を撮って終了。会場外で即席のサイン&撮影会が行われ、サポーター大満足のイベントとなりました!

【写真 米村優子】

(佐藤拓也)

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