デイリーホーリーホック

【HHレポート】「集え! 若き力! 水戸商業PROJECT」(2012/7/31) ※全文無料公開

コラボ企画「高校生特別割引チケット」を発売

水戸が圧勝を飾った7月22日の福岡戦で、水戸商業高校と水戸ホーリーホックのコラボ企画「高校生特別割引チケット」が発売されました。
水戸ホーリーホックの認知度が低い高校生の来場者数アップを図り、スポーツを通じて水戸市の地域活性化へ繋げようと「集え! 若き力! 水戸商業PROJECT」のメンバーが中心となって、具体策を練り、駅でのビラ配りなどで告知活動を実施しました。


【写真 米村優子】

高校生がホーリーホックを応援して水戸の街を盛り上げる

今年4月、商業科3年の生徒13名が「課題研究」の授業の一環として、このプロジェクトを立ち上げました。水戸の地域活性について商業的な観点から調査、研究する題材として、水戸ホーリーホックをテーマにしたことから始まりました。

水戸の快諾を受けた後、まずメンバーは商業科3年生の全生徒120人を対象に、ホーリーホックと比較対象の鹿島アントラーズの認知度、意識調査のアンケートを実施。
その結果、アントラーズは「サポーターが周囲にいる」「カシマスタジアムへ行った事がある」「テレビで良く見かける」などというコメントが多かったのに対し、水戸は「知っているけれど試合に行った事がない」「サポーターが周囲にいない」「茨城交通のラッピングバスは良く見かける」などの回答が多く寄せられました。

この状況を打開し、水戸の地域活性のために、「水戸の街を盛り上げるためにスポーツを通して『人と人の輪』を広げる」「水戸に本拠地を置く水戸ホーリーホックを市民で盛り上げ、1つの勝利を皆で喜ぶ」とプロジェクトの主旨に設定。
ターゲットは高校生。来場者数100名を目標に、水戸の認知度アップと集客へ向けて動き出しました。


【写真 米村優子】

高校生による高校生を集客する具体策

その一つが、「高校生が観戦しやすい状況を作る事」。
メインスタンド席の当日券は通常1500円(前売は1000円)。水戸駅からKSスタへのバス代だけでも片道480円。高校生の懐事情では、なかなか気軽に出せる金額ではありません。そのために打ち出されたアイデアは、500円以下にチケット代を大幅に下げて、スタジアムへ向かう足掛かりにすることでした。

そして、この割引チケットをツールに、「高校生に水戸ホーリーホックを知ってもらう事」。そのために、水戸の協力を経て、メンバーらでデザインしたポスターとA5版のチラシ3000枚を制作。出勤、登校ラッシュ時の水戸駅と赤塚駅で3日間、メンバー達で手分けしてビラ配りを行ったのをはじめ、茨城交通のラッピングバス「ホーリーホック号」、学校付近のコンビニ等、校内全部のクラスにポスターを設置。「GREE」「mixi」などのSNSもフル活用して、広報活動を行いました。
またプロジェクトのヒントを探るため、スポンサーの茨城交通、水戸の自動販売機を多数設置している南町三丁目の商店街を取材したり、メンバーの一部はホームゲームのボランティアスタッフを体験しました。

試合当日は、メンバー5名とプロジェクト顧問の西川将之先生がスタジアムに来場。ゴールラッシュとなった水戸のゲームを興奮気味に観戦し、ハーフタイム中はゴミ収集のボランティア活動も実施しました。

福岡戦の集客結果は、メインスタンド21名、バックスタンド22名、計43名。
残念ながら目標達成とは至りませんでしたが、水戸商業の生徒達が撒いたたくさんの種は、いつかどこかで必ず花開くことでしょう!

このプロジェクトは、8月25日に茨城県総合福祉会館(水戸市)で開催される「茨城県高校生徒商業研究発表大会」で報告が予定されています。現在、メンバー達は、目標の全国大会出場へ向けて、大会資料の作成に奮闘中です。


【写真 米村優子】

プロジェクトメンバーのコメント
○鈴木彰太さん

「スタジアムのボランティアを体験して、ホーリーホックは地域に根付いているなと感じた。人見知りなのでビラ配りは良い体験でした。2日目には『絶対に受け取ってもらおう!』と度胸がつきました。福岡戦は水戸に点が入った時、立ち上がって盛り上がりました。楽しかったです!」

○中村駿太さん
「小学校の時、学校で水戸のチケットが配られても、観に行ったりしなかったのですが、課題研究をやり始めてから、ホーリーホックの自販機など注意してみるようになりました。ビラ配りははじめての経験。他校の高校生や地域の人に『頑張ってね!』と励まされたりして嬉しかった。スタジアムで初めて観戦しましたが、得点の時の観客席の一体感がすごかったです」

○磯野ちひろさん
「無料招待券を母が貰ってきて、一度スタジアムへ行ったことがあります。気にしてよく見ると、ポスターも色々な所に貼ってあるし、ホーリー君のバスも走っているし、『試合って次の日曜日なんだ』とか思うようになってきました。自分の考えを多くの人に伝えること、議論し合ってポスターを作ったり、ビラを配ったり、クラブへ出向いたり、行動力や度胸がつきました。でも、試合の日程すら知らない人たちにどうやって告知すればいいのか悩みました。どうやったらうまくいくかという考える力、地域を考える力が今までよりも一歩、二歩、進んだ気がします」

○糸川夢摘さん
「ラッピングバスを見たら、『あっ!ホーリーホック!』って思うようになったり、自分から水戸のHPをチェックしたり、勝敗を気にするようになって、応援するようになりました。茨城交通に取材に行ったのですが、水戸は地域に支えて貰っているんだなと感じた。そして自分もその一人なんだ、少しでも盛り上げたいなと思いました。ビラ配りが一番大変だった。受け取ってもらえなかったらと思ったら、一歩が出なくて。でも最後の方ではうだうだせずにやろうと頑張りました」

○大橋優美さん、会沢美咲さん
「福岡戦は岡本(達也)選手がすごかったです。負けていたのに、後半追い上げて、
すごく楽しかった!また来たいです!」

○小林大地さん
「人が少ないなと思ったけれど、ゴールが決まった時の盛り上がりに圧倒されて、すごいと思いました。今までサッカー自体にあまり興味がなく、スタジアムも初めてでしたが、これからはちょっと観てみようかと思います」

(米村優子)

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