【練習レポート】3月30日練習「山形戦に向け、攻撃面で手応え」(2012/3/30)
質の高い紅白戦。ただ、負傷者が続出
3月30日の練習は13時からツインフィールドで行われました。
練習メニューは山形戦を想定しての紅白戦。試合2日前ということで、熱のこもった攻防が見られました。特に仮想山形を演じたサブ組の動きがよかったため、最後まで集中してトレーニングに打ちこめていたようでした。試合に向けていい調整になったことは間違いありません。
特に攻撃面で収穫があったように思われます。鈴木隆行と3シャドーとが連動して、ディフェンスを切り崩す場面をいくつか作ることができていました。中盤でダイレクトパスを回して相手守備陣を崩し、スルーパスを受けた島田祐輝がGKとの1対1を決めるシーンがあるなど、2試合連続無得点から脱するための手ごたえを選手たちはつかんでいたようでした。
ただ、不安材料も。2日前の練習中に足に違和感を覚えて別メニュー調整を行っていた加藤広樹が検査の結果、肉離れと診断され、3週間の離脱を余儀なくされました。また、この日は小澤司が腰痛のため別メニュー調整。負傷者が立て続けに出てしまったのです。しかし、柱谷哲二監督は「別にけが人が出ないようにやっているわけじゃない。出たら出たでしょうがない。他の選手でやっていくだけ」と意に介していない様子。あくまでコンディションのいい選手たちを起用するだけといったところでしょう。ピッチに立った選手たちの奮起に期待したいところです。
そして、練習後には柱谷監督が鈴木雄斗を呼んで、マンツーマンでアドバイスを送っていました。身ぶり手ぶりを加えながら、15分ほどピッチの真ん中で話をしていました。「サイドバックがボールを持った時のポジショニングについてアドバイスした」(柱谷監督)とのこと。小澤が欠場するようならば、先発起用が予想される鈴木雄。それだけに柱谷監督は念入りにアドバイスを送っていたのでしょう。指揮官の熱のこもりようは期待の表れでもあります。果たして山形戦は鈴木雄のJリーグデビューとなるでしょうか。
(レポート=佐藤拓也)
コメント
柱谷哲二監督
Q.小澤選手が別メニュー調整でしたが。
小澤は大事を取って休ませました。試合には間に合うと思います。ただ、鈴木雄でも問題ない。鹿島とのプレシーズンマッチでも起用しているし、千葉との練習試合でも先発で使った。彼の攻撃のセンスを大事にしていきたい。
Q.質の高い紅白戦でした。
やるべきことはやっていたと思います。特にサブ組がしっかりやってくれたので、いい紅白戦になりましたね。
Q.先発組に西岡謙太選手が入りました。けがの状態は大丈夫なのでしょうか?
まったく問題ない。本当に(肋骨が)折れてたのかな(笑)? 今、(ロメロ・)フランクがいい状態で、そのパートナーには西岡を考えている。(村田)翔は悪くないが、まだムラがある。坂井(洋平)もすごくよくなってきているので、競争は激しくなってきているね。金久保(彩)も面白い。彼はけがで昨年1年を棒に振ったけど、元々力のある選手。だいぶ力を発揮できるようになってきた。
Q.選手交代のカードは増えそうですか?
ちょっとずつ増えてきたという感じですね。僕は練習や練習試合で力を証明してくれないと選手を起用しない。ダメな選手を投入すると、流れがもっと悪くなることがある。流れをよくするために選手交代するのだから、日々の練習で力を発揮している選手を出さないといけない。そういう意味でリーグ戦の翌日に組んでいる練習試合で結果を出すことが重要になってくる。25日の大宮アルディージャとの練習試合で動きのよかった選手がいたので、当然それは山形戦のメンバーにも関わってきます。吉原(宏太)もコンディションが上がってきた。まだ本調子じゃないけど、変化をつけられるカードになると思う。
市川大祐選手
北九州戦と松本戦で勝ち点1しか取れなかった。もう一度しっかりやらないといけないと思うことができた。ここからJ1を経験したことのある力のあるチームとの戦いが続く。もう一つギアを上げていかないといけない。
Q.山形戦に向けて。
アウェイでの戦いだし、天候もよくないと聞いています。難しいゲームになることでしょう。それでも勝ち点を取って帰ってこないといけない。ここからの試合を考えても重要な一戦になると思います。
Q.2試合連続無得点ですが、攻撃自体には手ごたえを感じているのでは?
手ごたえはありますね。あとは決め切れるかどうか。チャンスでしっかり点を取れる勝負強さを身につけないといけないですね。
Q.相手の3トップに対しての対応は?
リスクマネジメントをしっかりすることが大事。DFラインに関してはカバーリングを意識しないといけないですね。
橋本晃司選手
Q.山形戦について
山形の1ボランチの横のスペースがポイントになると思う。そこでボールをおさめることが重要になる。
Q.2試合連続無得点だが。
納得してないですよ。2試合ともゲームを支配していただけにもどかしいですね。チャンスも作れているので、本当に最後のところだけ。1つきっかけをつかめれば、流れは変わると思う。きっかけをつかみたいですね。
Q.セットプレーも重要になってきますね。
感触は悪くないです。ただ、結果につながっていないのは、僕の責任。しっかり結果を出していきたいと思います。
Q.相手の1ボランチの宮阪政樹選手が山形の攻撃の起点。彼を潰す役割も担います。
宮阪は明治大学の3年後輩ですからね。まあ、負けるわけにはいかないでしょう。ただ、そこで守備をすることも大事だけど、いい形で前に残ることも攻撃のためには重要。そこは駆け引きになりますね。
Q.ボランチには後輩の宮阪選手、センターバックには明治大の1年先輩の石井秀典選手がいます。先輩と後輩に挟まれますね。
そうですね(笑)。まあ、負けないでしょう! でも、本当にその2人の間がポイントになると思う。僕と(小澤)司が2人の間でいかにボールを受けてキープできるかにかかっていると思う。そこで起点を作って攻められれば、攻撃のバリエーションは増える。宮阪の守備の負担を増やしたいですね。明治大学対決がカギを握る一戦になるでしょう(笑)! 僕も楽しみです。
Q.調子がかなりよさそうですが?
ずっと調子はいいです。ただ、僕は1人で試合を決める選手ではありません。周りの選手と連係しながらプレーするタイプです。もっと感覚を合わせてプレーしていきたい。調子のよさは自分でも感じています。なので、もっと点を取りたいし、アシストもしたい。結果を出せるようにしたいと思っています。
西岡謙太選手
Q.肋骨に痛みはないのですか?
痛みはなかったですね。いけると思います。
Q.今日はレギュラー組に入りましたが。
ずっと試合をやっていなかったので、あらためて楽しいなと感じました。ただ、感覚的にまだ完ぺきに戻っているわけではないです。不安なところあるけど、みんながフォローをしてくれると思います。
Q.開幕2戦、けがするまでのプレーには手ごたえを感じていたのでは?
フランクに攻撃を任せて、僕が後ろをケアするという割り切りがうまくできていたと思います。それがうまくはまったのかなと思いますね。
Q.試合に出られない時のチームをどう見ていましたか?
岡山戦はボールを動かせていたし、結果もよかった。でも、北九州戦と松本戦はしっくりいっていなかったなという印象でした。今節、いい意味でフレッシュさを出していきたいと思います。ただ、2試合とも別に内容が悪かったわけではないし、下を向く必要はない。あとは決めるところを決めるだけ。最後の精度のところは練習から意識して取り組んでいるので、結果につながると思います。
Q.チームの雰囲気もいいですね。
やっていた楽しいですね。キャプテンから解放されたということもありますが(笑)。練習から言い合えているし、要求もできている。それに要求に合わせることもできている。そういう空気は昨年になかったものですね。僕自身、昨年キャプテンを経験して、チーム全体やチームの状況を考えるようになった。ベテランに頼るのではなく、チーム全体で話し合って解決することができるようになっている。僕だけじゃなくて、みんなで言い合えている。そこに昨年からの成長を感じますね。
鈴木雄斗選手
Q.小澤選手の状況次第ですが、先発の可能性もあります。
試合に出たいですね。チャンスだと思っています。前回、紅白戦でレギュラー組に入った時、いいプレーができなかった。でも、今日は失敗してもいいから思い切ったプレーをしようと思いました。パーフェクトではなかったけど、納得いくプレーはできたと思っています。(小澤)司さんは戻ってくると思いますが(笑)、心の準備はできていますよ。鹿島とのプレシーズンマッチを経験していますし、途中で試合に入ってもやれると思っています。試合に出て何ができるかというところだと思います。出たら、結果を出さないといけないと思っています。
Q.北九州戦でビハインドを負っている状況でも起用してもらえませんでした。悔しい思いをしたのでは?
その前の岡山戦では3対0で勝っていても試合に出られなくて、北九州戦では負けている状況で試合に出られなかった。チームの状況は関係なく、監督の信頼を勝ち取っていないということに気づきました。水戸に戻ってきてから、監督からもそのようなことを言われました。なので、日々の練習や練習試合で結果を出さないといけないということを強く思うようになりました。ユース時代は自分が点を取れなくても動きがよければいいと思っていましたが、プロは結果を出さないといけないということにあらためて気付かされました。どんな形であろうと結果を出してナンボの世界。ベンチに入っただけでは何も評価されていないということなんです。これまでレギュラーを固定して戦っていますが、それではこれ以上上には行けないと思います。「J1昇格」なんて無理だと思います。僕だけじゃなく、チーム全体で底上げしないといけない。山形戦、チャンスが来るか分からないけど、試合に出たら何かをしたいと思っています。
Q.北九州戦では、北九州の高卒ルーキー渡大世選手にゴールを決められて負けました。同期の活躍に刺激を受けたのでは?
彼のことは知らないのですが、悔しいという思いしかないですね。U-20代表に関しても、僕は試合に出られていないから当然かもしれませんが、選ばれないのはとても悔しいです。早く試合に出て結果を出して、代表に選ばれたいと思っています。