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【2025シーズン新体制発表直前!】「温かく支えていただけるサポーターが増えることが、このクラブの生命線になる」……山形伸之CEOロングインタビュー 後編

 

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横浜FCの最高経営責任者であると同時にオリヴェイレンセのプレジデントでもある山形伸之CEOのロングインタビュー。後編は2024シーズンの振り返りからクラブの経営状況、今後の横浜FCがどういったクラブを目指していくべきかについて、忌憚のないところを語っていただきました。

内容的に踏み込んだものになったこともあり、クラブチェックに時間がかかり、公開が若干遅くなりましたことをお詫びします。またインタビューの実施は昨年末ですが、『去年(昨季)』や『今年(今季)』に関しては2025年を基準に修正してあります。

(インタビュー、文、写真/芥川和久。実施日/2024年12月23日)

 

▼『J1定着』と本当に言えるクラブなのか?

──昨年の横浜FCトップチームは1年でのJ1復帰を目標に掲げ、それを達成しました。昨季を振り返っていただけますか?

「四方田(修平)監督の体制で3季やれて、今季で4年目に入ります。クラブにとってベースを作るというか、ある程度の長い体制を組めたことはまず良かったと思います。昇格したり降格したりしていると、どうしても(指揮官を)代えなければいけないという状況も出てきますが、四方田監督のやり方をまずしっかりクラブのベースとして根づかせられたことはすごく良かったと思っています。

四方田監督の2年目(2023年)はJ1で戦い、少しやり方を変えたりして上手くいかなかった時期もありましたが、逆にそれを教訓にして、しっかりチームとしてスタイルをもう1回取り戻して、最後はJ2に落ちてしまいましたが手応えはあったと思います。みんな『あのサッカーを最初からやっていれば』という思いはあったと思うし、自分たちの形が見えた。だからこそ、降格はしたけど四方田監督で昨季もいったほうが良いという判断を私はしました。それをしっかりと継続できたのが昨季なのかなと思っています。

 

──チームの課題に感じている部分は?

「シーズン初めから、今の力だけでそのままJ1に上がったら、また落ちてしまう可能性は高いという危機感を持っていました。だから昨季は、昇格できたときに守備一辺倒にならないように、特に攻撃の部分をしっかり作っていくことをテーマにキャンプから1年間やってきましたが、その部分に関しては大きな課題が残ったのかなとは思っています」

 

▲横浜FC史上初、3年間フルで指揮を取った四方田修平監督。守備ではリーグ最小失点で自身2度目のJ1昇格を達成したものの、攻撃面では課題を残した

 

──今季の編成について個別には話せないところもあると思いますから、大枠の考え方を教えてください。

「もちろん経営のサイズがあるので、そのサイズを意識しながらということが大前提としてあります。まず『身の丈に合った経営をしっかりしていきましょう』という編成になるということですね。選手も出たり入ったりしていくことになりますが、基本的にはJ1で経験のある選手やJ2でブレイクした選手に交渉してきたので、最低ラインはできたのかなと思っています。東京ヴェルディさんなんかもそうですけど、ウチみたいに経営のサイズが小さいクラブがJ1で戦うためには、選手の能力頼りになりすぎないよう(能力の高い=年俸の高い選手を集めるのではなく)、シーズンを通して選手たちを成長させていける体制を作っていくことのほうが重要だと思っています。四方田監督を中心としながら、コーチングスタッフの役割分担を明確にできるよう、少し整理していかなければいけないというのが去年の反省であり、今季に生かしていきたいところです」

 

──現在のクラブのサイズ、予算規模はどれくらいなのでしょうか?

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