パンドラの箱……2024-J2第36節・岡山戦(A)マッチレビュー
▼2024明治安田生命J2リーグ 第36節
10月27日(日) 14:04キックオフ/ニッパツ三ツ沢球技場(10,555人)
横浜FC 2-4 ファジアーノ岡山(Jリーグ公式サイト)
【得点】
18′ 岡山/岩渕弘人
45′+3 岡山/鈴木喜丈
47′ 岡山/一美和成
55′ 岡山/田上大地
61′ 横浜FC/山根永遠
69′ 横浜FC/カプリーニ
3度目のJ1自動昇格へのアタック、ホームでその瞬間を見ようと、ニッパツ三ツ沢球技場の入場者数は第16節・清水戦以来の1万人を超えた。清水戦では4〜5千人がアウェイサポーターだったが、今回は9割以上が横浜FC側の観衆であり、期待の高さがうかがえた。1万枚の応援ユニフォームが配布されたスタンドはアウェイゴール裏以外一面ハマブルーに染まり、それはかつて横浜FCに在籍した一美和成、田部井涼、そしてスベンド・ブローダーセンもプレーしながら見たことのない光景だった(彼らの在籍時の多くはコロナ禍と重なり人数制限もあった)。
試合前のウォーミングアップに登場したフィールドプレーヤーを、横浜FCゴール裏が「プロのしるし」を歌って迎えたのは意外ではあった。前節の仙台戦を0-3で敗れたことで、「今回は4点取って勝て」というメッセージだったのかもしれない。誰もが知るメロディ、ノリやすいリズムは、メッセージはどうあれ配布ユニを着たライト層にも良い感じに響いたのではないかとも思う。
それを見てなのか、その前からなのかは分からないが、ブローダーセンはこの日のゲームキャプテンを務めた田部井に、「コイントスに勝ったら攻撃方向を入れ替えてくれ」と話していた。昨季までその声援を背に64試合で横浜FCのゴールを守ってきた守護神は、「12人目のチカラ」を警戒し、勝負の後半にそこで持ち場につくことを避けたかったのだ。
コイントスで田部井は負けた。しかし井上潮音はボールを選択。田部井が勝っていても負けていても結果は同じであり、そう定められていたのかもしれない。今季J2の36試合目、すなわちブローダーセンにとってはJ通算100試合出場の節目の日だった。
【選手交代】(横浜FCのみ)
HT′ 慶治朗→カプリーニ
60′ 潮音→小倉、JP→ソロモン
70′ 髙橋→伊藤翔
84′ 中野→武田
▼一瞬の隙を突かれた先制弾
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