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【無料記事】徳島・増田功作監督「2020年の最終戦でマリノスとのダービーを3-1で勝って、非常に喜んでこの三ツ沢をあとにした。今日は逆に、本当に悔しい思いでこの地に立っている」……2024-J2第28節・徳島戦(H) 試合後コメント

 

■増田 功作監督

「まず横浜の地まで大勢のサポーターが来てくれたことに感謝しています。それにもかかわらずふがいない試合をしてしまったことは、選手たちにも伝えましたが自分の責任です。この大事な試合で、起きてはならないミスで失点し、追いかける苦しい状況を作ってしまいました。これはメンバー選考も含めて、自分にまだまだ指導者として甘さがあるとあらためて感じました。やはり勝負の世界は甘くないですし、選手たちには申しわけないという話をしました。ただ残り10試合あるので、今すぐに『次』とは言えませんが、しっかりとまたファイティングポーズを取って、選手とともにやっていきたいと思います」

 

──岩尾憲選手がメンバー外となったのをはじめ、前節から先発を4人入れ替えた意図は?

「憲に関しては週の頭に違和感がある場所があったので、残り試合もあるので無理をせず、本人やトレーナーと話し合って回避しました。メンバー選考に関してはいつも通り、横浜FCに勝利するためのベストな11人を選んで、ベンチも含めてベストな18人を自信を持って選びました」

 

──対横浜FCということでどんなプランを持っていましたか?

「僕は『自分たちがしっかりボールを持つ』という言い方はあまり好きではないですが、やはり相手コートでサッカーをする時間を増やしたかったので、細かい部分は言えませんが『アクションを起こして相手のゴールへ持っていくタイミングがあればどんどん行こう』と伝えました。ただそれが難しい場合は、しっかりやり直して自分たちの時間を増やそうというプランでした。ただ、向こうのセットプレーを少し気にしすぎたり、自分の持っていき方も含めて、あまり上手くいかなかったなという印象です」

 

──具体的にどの辺りが上手くいかなかったのでしょうか?

「ボールを持つにあたって、前半はシンプルにトラップミスがありましたし、パスを右足に出すのか、1メートル前に出すのか、その強さ、スペースに置くのかターンさせるのかといった、前を向くシチュエーションでのボールの運び方が、中盤の選手、そこを見つけるCBも含めてなかなか前進できなかったことが一番大きいポイントだったと思います。相手を裏返す(背走させる)、相手の嫌なところを突くことは、前半の最初に(村上)悠緋に出た場面など何回かチャンスがありました。ああいった形で自分たちの時間に良い攻撃ができればと思っていましたが、2失点とも起きてはならないようなミスからだったことも、自分が指導者として1週間準備してきた結果ですし、そこは自分の責任です。それは選手にも伝えましたし、選手も上手くいかなかったことに対してもう一回向き合って、トレーニングからより良い選手になれるように、自分も含めてやっていきたいと思います。前向きに考えるしかないので、今日の反省を体に刻んで、しっかり胸に刻んで、同じミスをしないことが大事ですし、ミスをしない人間はいないので、自分がしっかりそこを律して、痛みを受け止めてやっていくしかないと思います」

 

──コイントスで前半の攻撃方向を変えた理由を教えてください。

「今年の横浜FCさんは75分以降失点していなくて、逆にその時間帯に得点が多い。僕が(横浜FCに)いたときはどちらかというとホームが苦手な印象でしたが(笑)、今年は残り10分や15分のファン・サポーターの方々の声援が、今日久々に聞きましたが、そこが特に力になっていると思います。特にCKなどセットプレーのときの時間の使い方からの後押しが嫌だなと思いました。それで、できれば逆方向からスタートしようと。それが良かったか悪かったかで言えば、今日の結果としては悪いほうに出たので、そこも含めて自分の責任だと思います」

 

──それによって風下スタートになったことについては?

「いや、風は関係ないですね。横浜FCさんは残り20分、15分の交代で、ベンチに入っている1トップ2シャドーにクオリティの高い選手が多いですし、ターゲットマンもはっきりしています。そんなに手数をかけて攻撃してくるチームではなく、カウンターやクロス、シュートでやりきって、セットプレーを取ってというチームだと思います。だからセットプレーの回数が多いし、それに伴って、今年はファン・サポーターの後押しがあると、なかなか押し返すことができないだろうなと。だから逆に、先にそうして(横浜FCをホームゴール裏に向かって攻撃させて)、良い形でウチが先制できれば良かったですけど、逆に失点してしまったので、そうなるように促してしまったのはすべて自分の責任です」

 

──前半は横浜FCの前線からのプレスに苦しんでいて、GKやCBが詰められる場面も多かったですが、それは最初に話されたように「自分たちの時間を増やそう」という意図からでしょうか?

「横浜FCさんのプレッシングに来る形がある程度あって、今日に関してはユーリ・ララ選手らボランチが前から来ていましたが、そこを切ればその裏が空いて、最終ラインは背後を取られたくないから深いので、その間が使えると思っていました。使えればそのまま侵入していけばいいし、前から来るのであれば擬似カウンターのような形で裏返すことは準備してきました。最初は前線からプレスに来る中で何回かターンできていましたが、それをバックパスしてしまって、それがスイッチになってしまっただけで……。そこはやり合いなので、そこでターンできれば今度は相手も来れなくなってもっと自分たちが押し込める時間が増えただろうし、逆にバックパスしてしまったことで相手の勢いがより出てしまって、ましてや開始5分で失点してしまって相手も『これで行ける!』という雰囲気になってしまった。そこもすべて自分の責任だと思っています」

 

──今季の徳島は得点が少なく、柿谷選手も持ち味を出して得点に絡むようなシーンが少なく感じました。得点を取る形を今後どう作っていきたいですか?

「チームとしてやっている形は少しずつ出てきていますが、個人の特徴もあります。彼の特徴を生かすのも戦術だと思いますが、そこに関してはまだまだですし、今日はペナルティエリア内に侵入できる回数があまり多くなかった。そこに運ぶまでの過程、たとえばビルドアップのボールの質で、一個飛ばすとか、スピードとか、どこにつけるとか、相手をしっかり見ながら質を高く効率的に前に運ぶこと。そこで今日は外回しにさせられてしまいました。(森)晃太からFWに入った場面など、何回か中に刺せるタイミングもあったので、ああいう形をもっと作れればもっとペナルティエリアに入る一個前のところまで持っていけたと思います。それをやっていくしかないと思います」

 

──2020年以来のニッパツ三ツ沢球技場でしたが、どんな思いがありましたか?

「あの年、最終戦でマリノスとのダービーを3-1で勝って、非常に喜んでこの三ツ沢をあとにしたことを憶えています。今日は逆に、本当に悔しい思いで今この地に立っています。もし次の機会が与えられるのであれば、ぜひ選手たちと喜びあいたいと思います」

 

──6月に鳴門大塚で試合をしたとき、選手紹介の最後に監督の名前が呼ばれると横浜FCサポーターからブーイングもありました。今日はゴール裏含めスタンド全体から大きな拍手で迎えられましたが?

「その時間は僕は見ていなかったので申しわけないですけど、そうやって温かく迎えてくれたというのを今聞いて、ありがたいなと思います。18年お世話になったクラブですし、昇格を狙える位置にいるので頑張ってもらいたいと思いますし、自分たちも上に行けるようにまた頑張っていきたいと思います」

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