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報われた貢献……2024-J2第20節・藤枝戦(A)マッチレビュー

 

▼2024明治安田生命J2リーグ 第20節

6月15日(土) 18:03キックオフ/藤枝総合運動公園サッカー場(3,507人)
藤枝MYFC 1-3 横浜FC(Jリーグ公式サイト

【得点】
20′ 横浜FC/小川慶治朗
24′ 横浜FC/小川慶治朗
51′ 藤枝/矢村 健
85′ 横浜FC/室井彗佑

 

小川慶治朗にとって実に3年ぶりの歓喜の瞬間は、本人が拍子抜けするほどあっけなく訪れた。

20分、井上潮音から左サイドでボールを受けた中野嘉大が、独特のぬるぬるとしたステップで一人かわした。クロスは「中をよく見ずに」(中野)、ペナルティスポット辺りにいたカプリーニにグラウンダーで折り返されたが、いつもであればニアに突っ込んでつぶれ役をこなす慶治朗が直前にバックステップを踏んで、右足のインサイドを合わせる。完全にタイミングを外されたGK内山圭のニアを抜いてボールはゴールの中へ転がった。

2021年7月、敵地での広島戦。横浜FC移籍後初ゴールでチームを1-0の勝利に導いた慶治朗は、それを置き土産に日本を離れ、韓国でのプレーを終えて昨季から横浜FCに復帰した。しかしここまで前線の選手として2000分近くプレーし、数多くのチャンスがありながら、1点も決めることができなかった。

ゴールを振り返って、「もう少しがむしゃらな感じになるかなと想像していた」というが、そのがむしゃらさがギリギリのところでチャンスの場面に間に合わせるものの、シュート精度を下げてゴールから遠ざけていたのも確かだろう。「冷静にマイナスで待って」、力まずに軽く合わせたボールが内山の右手を抜けていくのを見ながら、「入るときってこんな感じなんだな」と慶治朗は思った。

初ゴールから2点目までは約3年かかったが、2点目から3点目までに要した時間はわずか4分。カプリーニの右からのクロスをファーサイドで中野が折り返すと、今度はニアにがむしゃらに突っ込み、内山の直前でゴールの中へとコースを変えた。この得点が四方田修平監督にとって横浜FCで初の、横浜FCにとっては2019年以来5年ぶりとなる5連勝を決めるゴールとなった。

 


【選手交代】(横浜FCのみ)
70′ カプリーニ→村田、慶治朗→室井、髙橋→ソロモン
82′ 中野→三田
87′ 潮音→和田

 

 

▼一方的に攻めた前半。慶治朗2ゴール

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