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【完全版再掲】「ここはワタシにとって特別な場所。でも、それが人生ね」……スベンド・ブローダーセン ラストコメント

 

1月2日午後1時、スベンド・ブローダーセンのファジアーノ岡山への完全移籍が発表された。

2021シーズン、開幕から13試合勝てず、最下位に沈んでいた中で突入したサマーブレイク期間に、スキンヘッドの守護神はやってきた。FCザンクトパウリに所属し、東京オリンピックに出場したドイツ代表チームのメンバーであり、おかげでコロナ禍の隔離期間の問題もクリアしてチームに早く合流することができた。

初出場となった第23節・名古屋戦(8/9)での完封勝利(2-0)に貢献。ゲームを通じて日本の文化が大好きになり、「いつか日本に来ることが夢だった」というドイツとポーランドのハーフは、驚くべき速さで日本語を習得し、チームになじんでいった。21シーズンの残留はかなわなかったものの、確かなポジショニングと超人的な反応のビッグセーブ、そして日本人にはめったに見られないよく通る大声でのコーチングでチームを鼓舞し、22シーズンのJ1昇格に多大な貢献を果たした。

しかし足元の技術、キックの精度は明確な弱点だった。昨季の横浜FCは、新体制発表で説明されたように、「ゴールキーパーをゴールプレーヤーに」をJ1残留&定着のためのポイントの一つとしていた。開幕スタメンの座を永井堅梧に譲っただけでなく、一昨季の終盤に続いて2回目の脳震盪を練習中に起こしたことで、シーズン序盤は試合に絡めない日が続いた。

開幕から未勝利が続く中で、ついに第9節・ガンバ大阪戦(4/23)で今季初出場を果たすと、第11節・新潟戦でチームの今季初勝利に貢献。以後13試合で先発出場を続けたが、相手選手が背後で隙を窺っていたのに気付かずゴールキックを蹴ろうとしてかっさらわれ失点した第21節・広島戦を最後に出番を失い、次の試合から最終節までベンチからチームを支えることになった。

最終節・鹿島戦の前の11月28日、昨季最後の練習公開のあと、ブロを呼び止めた。いつも気さくで真摯な彼らしく、言葉を選びながらも難しい心のうちを明かしてくれたのではないかと思う。

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