【無料記事】【記者会見】永田滉太朗「Jリーグを経由しても結局は目指すところは海外。だったら先に海外に行って挑戦したいと思った」……プロ契約&オリヴェイレンセ移籍を語る
横浜FCは8月31日、ユースに所属する永田滉太朗とのプロ契約締結と、UDオリヴェイレンセへの期限付き移籍を発表。永田はすでにオリヴェイレンセに合流しており、オンラインでの記者会見が本日(9/5)行われた。
昨年の11月、横浜FCの親会社であるONODERAグループがオリヴェイレンセの経営権を取得。日本とポルトガルでのマルチクラブオーナーシップを展開する目的は、日本のサッカーを強くすること。ヨーロッパの市場で若手が大きく成長し、ステップアップすることで移籍金および連帯貢献金が発生することで、横浜FCやオリヴェイレンセに入る移籍金によってONODERAグループのビジネスとなり、若い選手が成長して夢をかなえ、その循環が上手く回ることで、日本サッカー強化への貢献につながる。
ただ、あくまで巨額の移籍金目当てに選手を売り買いするような移籍金ビジネスではなく、永田のように横浜FCのアカデミーに行けば海外に挑戦できるという夢を子供たちに与えることで、夢をかなえることのできるクラブとなっていくことを目指すとしている。
その辺りは今月半ばにメディアブリーフィングが予定されており、その様子もお伝えする予定だ。
永田は8月26日に日本を発ち、27日にポルトガルに着いた。まずオリヴェイレンセのホームゲームを観戦し、28日にメディカルチェックを終えて30日から練習に合流。以来トップチームで練習を積んでいるが、9月3日にはU-19カテゴリーの開幕戦に後半45分から出場している。担当者によれば「ゲームを支配し、かなりチャンスメイクをして惜しいパスも出し、自身もゴールをあと一歩で決められるような場面もあった」という。
それでは、以下に記者会見のほぼ全文を紹介する。
※質問者の所属(質問順)
(A)……日刊スポーツ
(B)……日経新聞
(C)……スポーツ報知
(D)……ハマプレ
(E)……共同通信
(F)……朝日新聞
■永田 滉太朗
「今回横浜FCユースから横浜FCとプロ契約して、オリヴェイレンセに移籍することになりました。まずプロサッカー選手になれたことを嬉しく思います。今回、僕が移籍するためにたくさんの人が動いてくれて、バタバタの移籍でしたけど、たくさんの人がサポートしてくれて感謝しています。世界で戦える選手になるために、大きく成長できるように努力したいと思います」
──バタバタの移籍ということでしたが、どんな状況でしたか?(D)
「話があったのが(8月)12日で、15日の開幕戦を見て、その翌日か二日後に『挑戦したい』と返事をしました。そこからいろんな手続きがあったので、バタバタでけっこうギリギリになりましたけど、サポートしていただいて移籍できました」
──移籍にあたっては、「海外に行きたい」という思いをクラブに伝えていた? それとも向こうから「行ってみないか」と話が来た?(C)
「自分からは特に行きたいと言っていたわけではなくて、オリヴェイレンセの経営権を獲得して、チームとしてもそれを利用していきたいということでそういう話が来たので、自分はぜひ挑戦したいと思いました」
──話は誰からありましたか?(D)
「オーナーの山形さん(山形伸之/横浜FC代表取締役CEO、UDオリヴェイレンセpresident)からです」
──決断するまでの時間はどれくらい?(C)
「移籍市場の関係もあってそれほど時間はなかったですけど、行きたい思いは強かったので……。ちょうど話を聞いて二日後くらいに(オリヴェイレンセの)開幕戦があって、その開幕戦を見て『行きたいな』と思いました」
──オリヴェイレンセの開幕戦を見て、どういうところに魅力を感じましたか?(E)
「チーム全体が、ドリブル、ドリブルで、前へ前へという意識が強いので、見ていてすごく面白いサッカーだなと思いました。やっぱり展開も早いので、ゴール前に行く回数もすごく多くて、そこは自分も攻撃の選手なのでゴール前のクオリティを発揮しやすいと思いました」
──Jリーグを経由せずにいきなり海外移籍を決めた理由は?(A)
「小さいころからずっとJリーグを見ていて、憧れていましたし出場してみたい気持ちはありました。でも結局、Jリーグを経由しても目指すところは海外だったので、海外に先に行ってチャレンジしたほうがいいのかなと思いました」
──直接海外に行って成功した例は少なかったですが、そこの不安は?(A)
「そういう不安はなくて、自分が成功してやろうという気持ちしかないです。失敗する人はいっぱいいると思いますけど、成功するためには勇気とか自信が大事だと思うので、チャレンジしました」
──福田師王選手やチェイス・アンリ選手ら、年齢の近い選手が高校から直接海外に行っている状況は、移籍の決断に影響しましたか?(E)
「いや、まったく意識はしていないので。自分は自分なので、自分らしくしっかり一歩一歩ステップアップしていければなと思いました」
──語学のほうは?(A)
「英語は学校の授業でやっていたレベルで、ポルトガル語は全然学習せずに来ました。現地でいろんな人に教えてもらってサポートしてもらって、今はサッカーでピッチで使う用語はある程度分かるようになってきています。あとは日常的な会話はこれからサッカーをしながら勉強していきたいと思います」
──移籍について誰か相談した人は?(D)
「家族に一番先に相談して、そのあとチームメイトの3年生にチラッと『こういう話があるんだけど、どう思う?』と話して。みんな『行くしかないんじゃない』と言ってくれて、自分もそこで覚悟を決めることができました。トップチーム関係の人には相談はしてないです」
──迷いもありましたか?(D)
「最初はJリーグを経験してから行ったほうがいいのかと思いましたし、家族とも話しましたし、急に海外に行くというのは成功しているのはなかなか少ないので、そこが最初は不安でしたけど、逆に成功している人が少ないからこそ行きたいという気持ちがあったので挑戦しました」
──オリヴェイレンセにはカズさんがいることで安心感はありましたか?(D)
「それはもちろんありましたし、日本人スタッフもいると聞いていたので、少しずつ進めていくにはすごく良い環境なのかなと思いました」

▲オンライン会見の様子