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【無料記事】待ち人来らず……ルヴァンカップ・グループステージ第1節・広島戦(A)マッチレビュー

 

▼採点・寸評

市川暉記/ビルドアップは悪くなく、追い込まれても冷静に縦パスをつける場面も。PKストップはお見事。シュートストップも冴えて決定機を何度も防いだ。クロス処理も安定していたが、同点ゴールの場面では中途半端にエリア内に落としてしまったのは悔いが残る。立て直して若い守備陣を鼓舞できなかったのも残念。

リーグ戦期待度:☆☆☆

 

林幸多郎/評価が分かれそうな出来。積極的に攻撃参加して局面に顔を出し、46分には素晴らしいアーリークロスを送った。一方で38分にはビルドアップ中に奪われて市川に救われ、同点に追いつかれた場面では志知孝明に1対1で抜かれてクロスを上げられた。良くも悪くも気迫と存在感を示したところは買ってもいい。

リーグ戦期待度:☆☆☆☆

 

杉田隼/若干のバタバタ感はあったが、十分に健闘。先制ゴールに結びついた場面のように、相手の最終ラインの裏を狙ったフィードを何度か通した。バー直撃弾を決めていればヒーローだったが、最後はオウンゴールで苦いルヴァンカップデビューになってしまった。リーグ戦に絡むにはまだまだ精進が必要か。

リーグ戦期待度:☆☆

 

西山大雅/杉田とは対照的に飄々とプレー。良くも悪くもあまり印象に残る場面に絡んでいない。もちろんシュートブロックやパスカットをしっかりやっていたし、ビルドアップもそつがなかったが、リーグ戦で見たいと思わせるほどのインパクトには欠けた。林とは別の意味で評価が難しいが、もっと力強さがほしい。

リーグ戦期待度:☆☆

 

武田英二郎/ベテランらしく、新鮮味はないが確実なプレー。「そこは英二郎だよね」という安心感はあった。前にいたのがサイドバックとのコンビネーションを必要としないタイプの新井だったことで、まずは守備に専念できたのが良かった。現状の守備陣の状況では一躍リーグ戦の戦力に浮上しておかしくない。

リーグ戦期待度:☆☆☆☆

 

吉野恭平/3バックの中央で使われるかと思ったが、4バック継続でボランチでの出場。攻撃でスルーパスとフィードは期待以上だった。一方で最終ラインに下がってのビルドアップや守備のカバーでは判断の遅さが目立ち、市川に救われたもののPKも与えた。チーム状況的にCBもできる守備力を見せてほしかっただけに、微妙な評価に。

リーグ戦期待度:☆☆☆

 

井上潮音/リーグ開幕から2試合連続でトップ下で先発したが、前節は控えでこのルヴァンカップにボランチで先発。ビルドアップでボールをしっかり前進させた。吉野と近い距離でのパス交換はヴェルディ下部組織の先輩後輩ならではの呼吸があった。しかしパンチ不足は否めず、積極的に出るとミスが目立ったのもマイナス。

リーグ戦期待度:☆☆☆

 

小川慶治朗/消えている時間もあったが、前半にカプリーニとのワンツーで抜け出したり、決定的なシュートを放つなどさすがの存在感を示す。先制点につながったクロスも、抜ききらずギリギリのところからタイミングをずらしてGKのミスを誘うようないやらしいボールだった。近藤友喜の状況次第ではリーグ戦の抜擢も?

リーグ戦期待度:☆☆☆

 

カプリーニ/リーグ戦では3試合連続で途中出場しており、この公式戦初ゴールでさらに調子を上げてくれるだろう。課題は守備面か。シュートは現地で見ると一瞬外したように見えたくらい、正面からのインサイドキックで外側のサイドネットに飛ばすという難しいもので、たぶんミスキックではないかと思う。

リーグ戦期待度:☆☆☆☆☆

 

新井瑞希/得点には結びつかなかったが、武器のドリブルはJ1の控え組レベルには通用した(といっても対面の松本大弥は去年J2金沢にいたが)。一方で守備への切り替え、ポジションにつく遅さはやはり課題。それでもベンチに入れておけば得点のほしい場面でジョーカーとして使える力は十分に示したと言えよう。

リーグ戦期待度:☆☆☆☆

 

マルセロ・ヒアン/キャンプの終盤から怪我を抱えており、コンディションはまだ上がっていない。それでも一発裏へ抜け出すスピードと怖さは見せ、ロングボールのターゲット役にもなった。守備のスイッチ役としてもの足りなさはあり、スタメンは難しそうだが188cmのサイズとスピードはやはりベンチに置いておきたい。

リーグ戦期待度:☆☆☆☆

 

マテウス モラエス/開幕前から別メニューが続いていて、ベンチ入りも意外だった。コンディションも試合勘もなく、さんざんな出来。ガブリエウの怪我で、彼にはとにかく戦力になってもらわないと困るのだが……。

リーグ戦期待度:☆

 

高井和馬/63分に慶治朗と交代してトップ下に入った(カプリーニが右サイドハーフに移動)。チーム全体のバランスが崩れたのか個人の頑張りが不足していたのか分からないが、印象に残るプレーは何もなかった。

リーグ戦期待度:☆

 

高塩隼生/足がつったカプリーニと交代。元気にひたすら攻守に走り回っていたが、あまりボールに絡んでおらず空回り感が強かった。チーム全体が広島に押し込まれていき、見せ場を作ることはできなかった。

リーグ戦期待度:☆

 

清水悠斗/最終盤に吉野に代わりボランチに入った。公式戦初出場ながら、去年天皇杯に出ていた高塩とは対照的に淡々とプレー。流れを変えることはできなかったが、その落ち着きは頼もしさがあった。

リーグ戦期待度:☆

 

伊藤翔/1トップでのプレーを得意とするタイプではないが、前線でのポスト、裏抜け、守備のスイッチ役と求められるところはしっかりこなした。周りとの連携不足と、全体が押し込まれて孤立してしまったのが残念。

リーグ戦期待度:☆☆☆

(文/芥川和久)

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