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【無料記事】想定外の攻城戦。圧倒するも金鯱城を崩せず……2023シーズン開幕節・名古屋戦マッチレビュー

▼2023明治安田生命J1リーグ 第1節

2月18日(土) 14:03キックオフ/ニッパツ三ツ沢球技場(11,186人)
横浜FC 0-1 名古屋グランパス
【得点】
4′ 名古屋/キャスパー・ユンカー

横浜FCにとって3度目のJ1挑戦。その緒戦となる名古屋戦は、『猛攻奪取』を掲げる横浜FCがキャンプから磨いてきた強度の高いハイプレスとGKを組み込んだビルドアップが、高い個の力を持つ名古屋にどこまで通じるかが見どころとなるはずだった。しかしその目論みは外れ、勝点も得られなかった。ただ、名古屋を圧倒した試合終盤の熱気と、得られた手応えは次につながっていくと信じたい。

 


【選手交代】(横浜FCのみ)
63′ 潮音→カプリーニ、坂本→山下
79′ ユーリ→マルセロ、近藤→橋本

 

▼スタメンに新加入選手が7人

一昨季の夏に加入して以来正守護神であり続けたスベンド・ブローダーセン、昨季の主将でJ2ベストイレブンに選出された長谷川竜也がメンバー外。GKにJ1初出場となる永井堅梧が抜擢されたのをはじめ、ンドカ・ボニフェイス、ユーリ・ララ、三田啓貴、近藤友喜(昨季まで特別指定)、坂本亘基、井上潮音と、新加入が先発のうち7人を占めた。和田拓也の左サイドバックは自陣でのビルドアップと守備面を考慮したものだろう。

ブロや長谷川は2/13の練習公開では元気にトレーニングに取り組んでいた。長谷川が先発を外れることは予想できていた。おそらく怪我によるメンバー外ではないだろう。「今日出た選手が今日のベストメンバー」と、四方田修平監督は多くを語らなかった。今季、プレシーズンから準備してきたサッカーをやるためのベストがこの18人ということで、それが昨季からの変化を雄弁に物語っている。

 

▼立ち上がりにセットプレーから失点

入りそのものは悪くなかった。ボニの正確なフィードに近藤がヘディングで競って強さを見せた。ユーリもボールを奪う力を見せた。しかし名古屋のロングボールから攻め込まれ、クリアしようとしたボニが足を滑らせて、マテウス・カストロにシュートを許す。これは上に外れ、おそらく永井は触っていないが、不運にもCKの判定。そのCK、ゴール前に飛んできたボールは思ったより風で伸びたのか永井が触れず。ファーに抜けたボールをユンカーに蹴り込まれてしまった。

このときの守備は小川航基がニア、ガブリエウがゴール前中央にマークを持たずに立ち、ほかの選手はマンツーマン。ユンカーについていたのはお世辞にも空中戦に強いとは言えない中村拓海だったから、永井がかぶった時点で勝負アリだった。14分にもマテウス・カストロの直接FKから、ニアで永井謙佑が触って中央にユンカーが頭から飛び込む決定機を作られている。俗に“最もチームの資金力の差が出るのはセットプレー”と言われるのは、予算が潤沢なチームは優秀なキッカーと多くの空中戦に強い選手をそろえられるからだ。昨季、相対的にJ2の中では予算が潤沢となる横浜FCは、最もセットプレーからの失点が少なかった。おそらく今季はセットプレーからの失点が増えるだろう。ジェリー・ペイトンさん、何とかお願いします。

 

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