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【無料記事】四方田修平監督「チーム一丸となって俊輔のためにという気持ちで奪った勝利。選手に感謝したい」……J2最終節・熊本戦 試合後コメント

■四方田 修平監督

「これだけのサポーターの皆様に集まっていただいて、素晴らしい雰囲気の中で最終戦を行えた。中村俊輔選手の最後のゲームということで、それにふさわしい舞台を整えてくださったいろんな方に本当に感謝したいと思います。何とか良い試合をして、俊輔を勝って送り出したいという気持ちでみんな一つになって臨んだんですけど、前後半ともに立ち上がりに安い失点をしてしまった。そこは反省点ですが、その中でも崩れることなくみんなで返していこうということでは、前後半とも高いモチベーションでやってくれた結果、それがゴールに、同点、逆転というところにつながっていったと思います。反省もたくさんありますが、あまり言葉では言い表せないようなゴールもたくさんありますし、チーム一丸となって俊輔のためにという気持ちで奪った勝利だと思うので、選手に感謝しています」

 

――中村俊輔選手を先発起用しましたが、彼に期待したプレーは?

「彼らしくやってくれればと、それだけです。彼が今までやってきたプレーを出してくれればそれで十分だと思いました。ただチームとしては相手のプレスに対してなかなか前進できない時間帯が多かったので、俊輔が生きる場面が少なかったのは残念でしたけど、ああいう選手のすごいところはそういう中ででもやれることを全力でやろうとする姿勢です。そこは本人も、この試合に向けて話をしていく中で、自分は守備的な時間でも攻撃的な時間でも、どっちでも与えてくれれば全力でやりますと話をしてくれてて、本当にプロフェッショナルだと思いますし、彼の人間性も本当に素晴らしいなと感じた一週間でした」

 

――3点は取られましたが、相手よりも多く点を取って勝つ。そういうサッカーが四方田監督の求めるところですか?

「いや、できれば3-0、4-0で勝ちたいです(笑)。まあもう少し、来年に向けては、安定した試合運びを。来年はJ1という舞台でレベルが上がるので、そこも含めてしっかりレベルアップしていかなければいけないと思います」

 

――小川航基選手が今日2ゴールを決めて、シーズンで26ゴールとなりました。彼の今季の活躍については?

「彼の決定力の高さに助けられてきた。たくさんの勝利に貢献してくれました。少ないチャンスの中で決めきる決定力については、今日の試合でもそうですけど、あらためて素晴らしいなと思いました」

 

――中村俊輔選手を先発させることを決めたのはいつですか?

「今週のトレーニングが始まった1日目、2日目にはほぼそういう気持ちを固めていました。最初話した時は、先発からでも途中からでも、攻撃的な時間帯であっても守備的な時間帯であっても与えてもらえれば全力で何でもやりますと言ってくれていました」

 

――中村俊輔選手は60分の交代になりましたが、予定していた時間ですか?

「後半、行けるところまで、と思っていましたが、3-2になって少し膠着した時間が続いた中で、交代カードを切って流れを変えて、同点、逆転の流れを作っていかなきゃいけない時間帯だと思ったので、断腸の思いで、『いいのかな?』と思いながらの決断でした」

 

――交代直後にはどんな言葉をかけましたか?

「お疲れさま、と一言伝えました。さわやかな顔をしてましたね」

 

――中村俊輔選手の、人間性も含めて選手としてのすごさはどういうところですか?

「本当にサッカーのことをずっと考えているんだなというのを、一緒に同じチームでやって感じたことです。いろんな国のサッカーを見てますし、いろんなカテゴリーの試合を見てますし、たとえば12、3年前にミシャさん(ミハイロ・ペトロヴィッチ監督)率いる広島のことを思い出しながら話をしてきたり(笑)。『あのサッカーはこういう練習からくるんですね』という話になって。それだけサッカーに対しての探究心がものすごいし、そういうことを自分のプレーに対しても積み重ねた結果、ああいう逆を取るプレーとか選択肢のあるプレーができるのかなと。それにプラスして、やっぱりリハビリでキツいときもあったと思うし、地道なリハビリをめげずにやっている姿を見ましたし、44歳の選手が自主練をとにかくたくさんやるところを見ても、あの技術というのは努力の中で培ったものなんだなと感じました」

 

――なかなかああいう選手はもう出てこない?

「そうですね。ああいう特徴のある、お客さんを呼べる選手というのはなかなか出てこないなというか、どうやって育てていくのか、そこは日本サッカー界のこれからの課題なのかなと思います」

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