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攻撃偏重のチーム同士、最高の殴り合いを……J2第20節・東京V戦プレビュー

■今節の相手:東京ヴェルディ

▼基本情報

15位/勝点24/6勝6分7敗/得点33/失点33
主な得点者:佐藤凌我(6)、杉本竜士(6)、新井瑞希(4)、バスケス・バイロン(4)、小池純輝(2)、森田晃樹(2)、ほか
主なアシスト:梶川諒太(6)、杉本竜士(4)、バスケス・バイロン(3)、新井瑞希(3)、小池純輝(2)、ほか

 

▼前節の東京Vは……

ホームで大宮に1-1のドロー。前々節からスタメンを6人変更して臨んだが、相馬直樹監督に交代したばかりの大宮を前半は圧倒し、縦パスを奪取してのショートカウンターから先制した。しかし後半はロングボールからセカンドを拾われて押し返される。流れを取り戻そうと前線から全員でプレスに行ったところをサイドバックの裏に蹴り込まれ、後ろにCB二人だけの対処ではどうしようもなく同点に追いつかれた。ここまで33得点はリーグ3位だが、33失点もワースト2位タイ。

昨季途中から就任した堀孝史監督の2年目。前任の永井秀樹監督が築いた[4-3-3]のゼロトップシステムによるポゼッションサッカーをベースに、前線からの守備を整備して序盤はそれが機能していた。前任者の下では出場機会に恵まれなかった新井瑞希、新加入のバスケス・バイロンらも活躍し、開幕から8戦負けなし(5勝3分)で一時は2位に浮上したが、第9節以降は11試合で1勝3分7敗と調子を落としている。

 

■攻撃偏重のチーム同士、最高の殴り合いを

▼予想フォーメーション

 

▼ハイネルがもたらした守備強度

横浜FCは前節、ホームで山口に1-0で勝利した。30度に達した季節外れの気温と、連戦の疲労からか、前半はなかなか攻撃でスピードアップできなかった。守備でもなかなか前線からプレッシャーがハマらず、山口にアタッキングサードまで攻め込まれた。特に、山口の田中渉が左サイドに流れ、左SBと左ウイングとローテーションしながらフリーを作り、手塚康平が加勢に向かうもののそれでもボールを運ばれる場面が目立った。

ただ、手塚によれば「ゼインと引き込んで、前で回させておけばという考え方だった」そうだ。逆サイドの武田英二郎も「相手はボールを持つのは上手かったけど、サイドをやられても中に人がいないなという感覚がすごくあった。。クロスが入っても一人か二人、それもそんなに大きい選手じゃなかったので。だから右サイドから侵入されても、俺がファーをカバーしていればいいかなと」と語っている。

山口戦では守備時ははっきり[4-4-2]のブロックを作った。「前からプレスに行かないようにしていたわけではないけど、マンツーマンでつくと(相手の3トップの両ウイングがワイドに張っているため)3バックが広がりすぎてしまうので、俺が下りて(最終ラインを)4枚にして、ハメるところでハメようという感じだった」と武田。今までのとにかく前からハメに行こうとした守備と比較すれば、相手にボールを運ばれて攻め込まれる場面は増えたが、スペースを与えず「穴をなくして守ることができていた」(四方田修平監督)ことで8試合ぶりのクリーンシートを達成した。

今までの、前線からプレスがハマっているときはペースをつかめるが、ハマらないときは相手ペースになってしまう状態から、相手に多少ボールを持たせてもこっちのペースにできるようになった。そこは第16節からガブリエウが最終ラインに復帰していることと、さらに大きいのは前々節からボランチにハイネルが入ったことで中盤の守備強度が上がったことによる。

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