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【無料記事】松田浩監督、エジガル ジュニオ、村松航太……J2第02節・長崎戦 相手監督と選手コメント

2/27に行われたJ2第2節・長崎戦。相手監督と選手のコメントのうち、横浜FCについて語った部分、試合内容について相手側視点として参考になる部分を抜粋してお届けします。

■松田浩監督

「選手が勝ちたい気持ちを非常に出して最後まで戦ってくれたし、たくさんの方に長崎から応援に来ていただいていたので、なんとか初勝利を挙げたかったですが、力が及びませんできた。前半の戦い方を、もう少し後半のように徹底できれば、最終的にはこじ開けることができたのかなという気がしています」

――前半の戦い方について、もう少し詳しく聞かせてください。
「最初良かったのは、前線に早めに(ボールを入れる)とか、背後に早めにといったダイレクトプレーを選択したことです。相手は前から来る力が強いので、それに対してまともにポゼッションプレーを、丁寧にビルドアップするというのは、相手の良さを引き出してしまうことになる。それが徹底できなかったことが悔やまれます。最初はそうやって(ダイレクトプレーを)やる。それで相手が出てこなくなったらつなぐ、いろんなプランがありますが、思った以上に前線に最初に預けて起点を作るプレーが効果的だったので、それをもっと続けるべきだったというのが前半の反省点です。長いボールだけでなく、ゴロのボールでも、人についてきてくれるのでスクリーンされることなく通ることもあったので。そこを第一優先に徹底して続けるべきだったかなと。後半はそこをある程度徹底できて、CKのチャンスも増えた。CKに関しては相手のマンツーマン守備に対して準備してきたことを遺憾なく出せればというのがあったので、後半は自分たちがやりたいことをある程度できたと思う」

――ハーフタイムに二見 宏志選手と奥井 諒選手を入れました。攻撃時は奥井選手が上がって、二見選手とCBの2枚が残って3バックの形に見えましたが?
「前節、加藤聖を一つ上げることでクロスが増えて、攻撃が非常に活性化したことがありました。今節はエジガルもいるし、都倉、クリスが加藤聖のクロスを受ける形になれば迫力があるんじゃないかなと。それと、小川航基選手と加藤聖のマッチアップで、そこでヘディングで折り返されたのが唯一相手の起点になっていた。それのケアにも二見が入ればできるかなと」

――開幕節の横浜FCを見れば、前半の立ち上がりのように前線に早めにボールを入れるのが有効だとスカウティングされてトレーニングでも落とし込まれたと思います。それが実際に試合になると、なかなか徹底できなかったというのは?
「うーん……、サッカーってそういう、『蹴るだけじゃ脳がない』みたいな(笑)のがあるのかな。僕は一番効果的なことをやるべきだと思うし、見た目じゃないと思う。一番大事なのは勝点3だと思っているので。特に昇格しなきゃいけないという命題があれば、当然そうだと思うんですね。なのに、そこに対して何となくブレーキがかかってしまうのか、一辺倒なことだけでは芸がないと思うのか、分からないですけど。エジガルも今日はコンディションが戻って先発してくれて、よく収めてくれていたし、その戦い方が一番有効だなとは思ったんですけど……。そうですね、なぜそれを続けられなかったのかというのは、ちょっと分からない。一つは、小川航基選手が起点になって折り返して、あわやのシュートを富澤(雅也)が防いだ場面がありましたね(編注:7分のプレー)。ああいうドキッとするようなピンチが、ちょっと気持ちを後ろにさせてしまって、違うことになってしまったのかな。あの辺から流れが変わってしまったというのは思っていました。そこで、もっと前半の途中ででも、自分のほうから『徹底して続けろ』と言えば良かったかなとちょっと思ってるんですけど。そこは自分としてもちょっと反省しているところで、ハーフタイムを待つまで指示を徹底できなかったところが反省点ですね」

 

■エジガル ジュニオ

「今日の試合に関してはポジティブに考えています。チームはすごく良かった。チャンスもすごく作れていた。ただ、もう少しのところでゴールを奪えなかっただけで、相手よりも良いサッカーをしたと思ってます。ただサッカーというのは、決めなければ勝てないので、そこで相手のほうに勝利が転んだと思います」

――前半からもっと前線にボールをくれればという気持ちは?
「前半の最初はウチのほうが良かったと思う。ただ相手に流れが少し行って、ポゼッションを向こうがする形になった。ただ後半は2トップにボールが集まってきたし、チャンスも作れた。次の試合は決められるようにしたいし、決められれば勝てると思うので、頑張っていきたい」

 

■村松 航太

「ボールを握られる時間はもちろんありましたけど、まずは僕たちが決定機を決められなかった。90分通して点を取ることができなかったので負けた、という感想です」

――前半は苦しい内容になったと思いますが?
「横浜FCさんの攻撃に関してはスカウティングもしていて、対角の長いボールとかクロスだったり、前線にも小川(航基)選手らヘディングの強い選手がいたので、そこら辺は準備はしていました。またマンツーマン気味に守備してくる相手に対してのビルドアップは苦しかったかなと思います」

――松田監督は「後半のように前線に早くボールを入れるような攻撃を、前半は徹底できなかった」と言っていたが?
「僕の感覚では、長いボールもそうですけど、ゴロのボールもFWには入れられるチャンスが何回かあったと思います。それは試合中にもハーフタイムにも話していました。後半は1点ビハインドというのもあって少し割り切ったというか、エジガル選手や都倉選手はターゲットにもなれるので、そこは割り切ってやろうと話していました」

――前半はそこを割り切るよりも、しっかりつないで攻めようという判断を?
「もちろん横浜FCさんのプレスが今日は本当に良かったと思うし、でも僕たちはそこに対して負けてるとは思っていなかった。チャンスも何回も作り出せたし、危ない場面もあったけどみんなが体を張って守れていたので……。まあ僕たちは、(ピッチの中で)やってると意外と見えないので。また映像を見て、確認したいと思います」

 

指揮官は「一番大事なのは勝点3なんだから、一番効果的なことをやるべき」と合理精神を説く一方で、選手は自分たちの意地を通そうとしたということでしょうか。いろんなサッカー観を持った選手たちを何十人も集めて、指揮官のやりたいサッカーをやらせるというのは大変なんですね。前節の大宮戦に続いて、横浜FCとしては助けられた部分ではあります。しかし松田監督、すごく真摯な方で、なおかつ面白い方ですね。相手側メディアの質問に、こんなにぶっちゃけて答えていただけるとは。深く感謝しますとともに、再戦でお会いできるのを楽しみにしています。

(文/芥川和久)

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