HAMABLUE PRESS

HAMABLUE Press(ハマプレ) 開設にあたって

横浜FCを愛する皆さん、こんにちは。2015年からサッカー専門紙エルゴラッソとJ公式ファンサイトJ’sGOALで番記者を務めてきました、芥川和久と申します。このたび、ここに横浜FC応援メディア<HAMABLUE Press>(略称:ハマプレ)をスタートすることになりました。

2015年の春にエルゴラッソで担当記者となるまで、僕にとって横浜FCは特別なチームではありませんでした。もちろん一人のJリーグ好きとして、フリューゲルスの消滅と天皇杯優勝、有志による横浜FCの立ち上げ、JFL参戦からJ2昇格、そして2006年のJ2優勝と翌年J1で戦ったことは知ってはいましたが、そもそもどこかのチームのサポーターというわけではなかったですし、横浜FCも40あるJクラブの一つという感じでした。

担当になってみて、正直、変わったクラブだなと思いました。それまで担当してきたクラブ、取材することの多かったクラブとは、良くも悪くも独特なものがありました。しかし担当として取材を重ねるにつれて、だからこそ、面白いなと魅力に感じるようになりました。それが“好き”とか“愛”かというとまだ少し自信がないのですが、この変わったクラブがどうなっていくのか、近くでその行く末を見届けたいと強く思うようになりました。

特にここ4年の横浜FCの変化と進化は、目まぐるしいものがあります。2018年、破天荒な勝負師だったタヴァレス監督率いるチームは、J1昇格をあと勝点1、得失点差で逃し、その翌年には戦術家の下平隆宏監督が見事にJ1昇格を果たしました。2020年、コロナ禍で降格のないシーズンだったとはいえ13年ぶりのJ1リーグ戦を15位で終え、定着を目指した昨年は序盤から大不振で下平監督が解任。元選手の早川知伸監督が後任となり、夏の4億円大補強による後半戦の巻き返しも届かずJ2降格……。

J1定着の難しさをクラブが思い知った一方で、クラブのフィロソフィーやミッション、ビジョンが2019年に定められ、その達成度はともかく着実に前進してきたことも確かな事実です。アカデミーから斉藤光毅がデビュー。ユースは関東プレミアリーグに駆け上がり、年代別代表にも常に横浜FCから誰かしらが選ばれるようになりました。また大学サッカーから松尾佑介や中山克広、瀬古樹らが即戦力として活躍するなど、ベテランに頼るばかりではない、新しいクラブのカラーが色付こうとしています。

今年、長らく横浜FCの顔として貢献してきた三浦知良選手が期限付き移籍とはいえクラブを離れる決断をしました。期せずしてハマプレは入れ違いのタイミングでのスタートとなります。J2に降格したこともあり、一般メディアでの報道量は目に見えて減ることでしょう。その意味でもクラブは新しい時代を迎えることになります。今回、開設にあたってクラブから多大なご協力をいただけたことは、“カズさんのいない横浜FC”が、いかにサポーターを増やし、またサポーターの満足度を高めていくか、危機感とともに新しいチャレンジをしているのだなと受け止めています。

ハマプレは横浜FCを応援するwebメディアであり、横浜FCの公式メディアではありません。公式では発信しきれない、または発信できない情報を皆さんにお伝えしていくことが意義だと考えます。もちろん戦術やメンバーなど、クラブから伏せてほしいと求められれば最大限に配慮しますが、一方で、クラブがやっていることがおかしいと感じられるなら、それを指摘できるメディアでありたいと思います。

とはいえ僕は別に正義感にあふれたジャーナリストではなく、昭和末期〜平成という雑誌が面白かった時代に育った編集者なので、基本的には楽しいメディアにしたいと思っています。僕の好きな言葉に「雑誌とは、“雑”な“志”である」というのがありまして、とにかくいろんな視点や感性がごった煮になったものになればと。トップチームの試合や練習だけではなく、アカデミーやシーガルズ、その他クラブやスタジアム、サポーターを取り巻くさまざまなものや出来事を取り上げていくつもりです。書き手も僕一人だけでは偏ってしまいます。横浜FCにかかわるさまざまな方にコラムをお願いするつもりですし、ゆくゆくは写真や文章もある程度は人に任せて、編集長としてメディアを充実させていきたいという希望を持っています。

新しい時代を迎える横浜FCとともにスタートするハマプレを、どうかよろしくお願いします。クラブに寄り添って、ともに成長曲線を描いていければ。また皆さんの横浜FCライフを豊かにする一助となれば幸いです。

(2022年2月1日 芥川和久)

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