無料記事【高校サッカー】全国高校サッカー選手権群馬県予選決勝 前橋商対共愛学園 前橋商 土壇場逆転劇で16年ぶり全国へ 共愛は後半ロスタイムに涙
無料記事【高校サッカー】全国高校サッカー選手権群馬県予選決勝 前橋商対共愛学園
前橋商 土壇場逆転劇で16年ぶり全国へ
共愛は後半ロスタイムに涙
【結果】
前橋商 (2−1) 共愛学園
前半(0−1)
後半(2−0)
【得点】
27分:松田翔平(共愛学園=前橋FC)
アシスト=なし
79分:三ツ木貴大(前橋商=ルーヴェン高崎)
アシスト=本間
84分:坂本治樹(前橋商=FCおおた)
アシスト=清水
【戦評】
前橋商が、執念の逆転劇で16年ぶりの県制覇を果たした。
コロナ禍の予選決勝は、伝統校・前橋商と、初決勝の共愛学園との対戦となった。
前橋商が、MF石倉潤征がゲームメークし、左MF坂本治樹らのドリブルでゴールを目指す。一方の共愛学園は、GK井戸孔晟、CB田中海州、長谷川耀大を軸とする守備陣が相手の攻撃を封じて、トップのFW須藤倫汰へボールを配球していく。
ゲームは膠着状態が続いたが前半27分、中盤やや左でボールを奪ったMF松田翔平が、前橋商GKの頭上を狙う約40メートルのロングシュートを沈めて、共愛学園が先制に成功した。
共愛学園の1点リードで後半に入る中、前橋商は幅を使った攻撃を試みるが、相手の素早いプレスに囲まれてゴールルートを導き出せない。
ゲームは1−0のスコアまま終盤へ。共愛学園が選手交代でスペースを埋める状況下、前橋商は後半39分にセットプレーの2次攻撃から、途中交代のMF三ツ木貴大が執念のヘッド弾で追いついてみせる。三ツ木は「負けている場面での途中交代だったので自分の武器のヘッドで得点に絡みたいと思った。自分の役割が果たせて良かった」と笑顔をみせた。
振り出しに戻ったゲームはそのまま延長に突入するかと思われたが、後半アディショナルタイムに前橋商がカウンターを発動すると、MF清水葵生のラストパスを受けた坂本が渾身の切り返しでDFを剥がす。小柄なアタッカーは間髪入れずに左足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。坂本は「前半から自分のところへのマークが強く仕事ができていなかったので、サイドではなく内に入っていった。最後は決めるしかないと思った」と会心のゴールの喜びをかみしめた。追い詰められた白と黒の「ゼブラ軍団」が、土壇場で「紫赤の壁」を崩した。
石倉主将は「リードされていても最後まであきらめずに自分たちのスタイルで戦った結果が勝利につながった」と胸を張った。16年ぶりの県頂点に立った前橋商は、12度目の選手権の舞台へ向かう。
共愛が前半27分に先制
先制点の共愛・松田
共愛のプレスが、前商を囲む
79分、前橋商三ツ木(右から2番目)が同点ゴール。歓喜の選手たち
後半ロスタイムに前商・逆転ゴール
(2020.11.08=伊藤寿学)