無料公開【Gマガ】ザスパ初期メンバー籾谷真弘(現クレアデール監督)インタビュー
【Gマガ】ザスパ初期メンバー籾谷真弘(現クレアデール監督)インタビュー(前編)
「奥野さんが本気だったから僕たちも本気になれた」
2002年のザスパ誕生時からチームに在籍した魂のDF籾谷真弘。2006年までザスパでプレーし、2007〜2012年までは長野パルセイロに在籍。現在は館林邑楽で活動するジュニアユースクラブ・クレアデールの監督を務めている。モミーニョの愛称で親しまれたレジェンドに聞いた。
――開幕・新潟戦セレモニーでザスパ初期メンバーが集結した。
「1カ月くらい前から計画があって、みんなでセレモニーに出られることになりました」
――どんなメンバーがいたのか?
「僕のほかに堺陽二、小田島隆幸、木村直樹さん(チャレ監督)、渡さん(山崎渡)、樋口拓朗、藤田豊、久保田祐介さん・・・みんな変わってなかったです(笑)」
――懐かしさがあった?
「懐かしくなるのかなと思っていたのですが、ザスパのみんなはずっと一緒にいたので、居て当たり前のような雰囲気でした(笑)。昔に戻ったような不思議な感覚でした」
――奥野さんが監督になったときの感想は?
「率直にうれしかったです。それまで昔の選手もいないですし、なかなかつながりがなかったので、やっと応援できると思いました」
――選手もスタッフも初期メンバーはいなくなっている。
「昔のつらさを知っている人がいないので、そこはちょっと寂しいと思いました。J3に降格してしまったときは、チームにザスパ魂が消えていましたし、ザスパが変わってしまったので素直に応援できない自分もいました。奥野さんが戻ってきて、僕らも戻れます」
――小島さんも戻ってきた。
「奥野さんが戻ってきて、自分にとってザスパがまた身近になりました。しかもノブさん(小島)も一緒なので、それは熱いです! ふたりが戻ってきたことでいろいろと盛り上がると思います」
――奥野さんは、どんな人物だった。
「選手として雑だった僕を、正してくれた人です。セレッソでプレーしたあとにザスパへ来たんですけど、プレーの部分ではお手本でした。鹿島で実績を残したバリバリの選手だったので、そんな選手が隣で教えてくれていることが信じられませんでした」
――GKは小島さんだった。
「隣には、奥野さんがいて、後ろにはノブさんがいて、すごいメンツだったので、若手の僕がサボるわけにはいかないです(笑)。ガチガチでした」
――奥野さんは選手兼監督だった。
「監督でしたが選手兼任で僕らに近い立場だったので、近い存在でした。練習でも試合でも、とにかく熱くて、それはもうすごかったです」
――どの辺が熱かった?
「最初は群馬県リーグ1部だったので、試合的には余裕なのですが、少しでも気を抜いたり、相手を見下したプレーをすると、めっちゃ怒られました。1プレー1プレーに魂を込めていたので、僕らも引っ張られていきました。最初は周囲からJ昇格なんて無理って思われていましたが奥野さんが本気でJリーグに上がろうとして行動で示してくれていたので、ザスパがJリーグに昇格できたのだと思います」
(後編に続く)